グリーンインフラによる地域経済への効果

2017/02/15 遠香 尚史
社会資本整備
地域経済
経済効果
自然資本

今後、わが国でも導入・普及が期待されているグリーンインフラでは、「自然が有する機能の発揮」が求められている。自然が有する機能を発揮することによって発現する効果については、外部経済に関連するものが多い。これらの外部経済を「内部化」すること、すなわち市場を介した社会的便益の付加価値化が進めば、さまざまな主体が、直接・間接的にグリーンインフラの効果を享受することを期待し、地域経済の持続的な成長に貢献するものと考えられる。

グリーンインフラによってもたらされる地域経済の活性化状況を定量的に把握することができれば、その効果の規模・種類、さらに要する費用(投資額、維持管理・更新費等)と照らし合わせながら、今後、公共のみならず民間企業を含むさまざまな主体によるグリーンインフラへの関わりの促進が期待される。すなわち、公共における予算制約が高まる厳しい環境下にありつつも、グリーンインフラの普及に向けた取り組みに対して持続可能性の向上が期待される。

このような中、わが国に比べてグリーンインフラの普及が進む海外のレポートによれば、グリーンインフラへの投資にともなう経済効果が紹介されており、またそれらの効果の定量的な把握に向けた取り組みが進められている。

そこで、本稿では、グリーンインフラによってもたらされている経済効果の紹介、また、これらの経済効果を対象とした定量分析の方法を整理する。

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