【特別企画/全国 1 万人調査】新型コロナ感染拡大と緊急事態宣言の「女性の就業」への影響

2020/07/29 矢島 洋子
1万人調査(第1回)

1. はじめに
新型コロナウイルス感染拡大を受けて、最初に全国規模の対応が取られたのは、2月27日に政府から出された「学校への休業要請」であった。3月上旬より、全国の多くの学校が休校となり、子どもたちの学びへの影響はもちろん、親の仕事への影響が懸念された。4月には緊急事態宣言の発出により、宣言の対象地域の拡大とともに、保育所や介護事業所の休業や感染不安からの利用自粛が広がり、子どもや高齢者の健康や生活への影響はもちろん、家族の仕事への影響が懸念された。こうした子どもの保育・教育等の子育てや介護について、家庭内の性別役割分業がいまだ根強いとみられる中では、休校・休業の「仕事への影響」は、「女性」に強く出ていることが推測される。また、緊急事態宣言下では、「人との接触8割減」という政府の目標に基づき、休業や時差出勤・テレワーク等の働き方の変化により、雇用を補償しつつ感染拡大を防止することが期待されたが、パート・アルバイトや派遣等の非正社員については、契約打ち切りや無補償での休業対応等が懸念された。この問題についても、男性に比べて「就業者に占める非正社員比率」が高く、また、「非正社員比率の高い業界・職種」に多く就業する「女性」に強く影響が出ていることが推測される。
本稿では、全国一斉に緊急事態宣言が出ていた5月上旬までの「新型コロナウイルスの影響による離職」と、同時点での「今年度と昨年度の年収変化の見込み」に着目し、女性の中でも、特にどのような属性を持つ女性の就業に、新型コロナウイルスやその対策による影響が出ていたかをみている。分析方法としては、二項ロジスティック回帰分析を用いている。・・・(続きは全文紹介をご覧ください。)

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