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2006.05.09 No37 海外赴任中の健康維持
海外赴任中は、当然ながら1年365日、生活基盤を現地に置くことになる。赴任地によっては、先進国で観光地も多く週末毎に出かけても時間が足りないような場所から、開発途上国で外出するにも治安を気にしなければならず見るべき所もなく、いきおい社宅に閉じこもる生活を余儀なくされる場所もあるだろう。
しかし、海外赴任中の余暇をどのように過ごすかどうかは、日本での勤務以上に心身の健康維持上極めて重要であり仕事への活力を生み出すものであって、単なる「遊び」や「暇つぶし」と考えるべきではない。以下に挙げた代表的な余暇の過ごし方・活用法以外でも、是非積極的に参加し、楽しく実り多い赴任生活を過ごしていただきたいものである。
(1)スポーツ:
「ゴルフ」:テニスを愛好する人も中にはあるが、質・量共にゴルフが断トツと云える。手入れの行き届いた欧米のゴルフ場から中東のタールで固めたグリーンまで日本人が席巻している。日本に比べて「近い・安い(それでもニューヨーク周辺ではグリーンフィーが100ドルを超えるゴルフ場が多くなったが)・多い」ゴルフ場は気軽で健康増進にも一役も二役も買う。ただ、ゴルフに熱中し過ぎて仕事が二の次になったりすることのないようにしたい。また落雷やボールに当たる、ゴルフカートに挟まれて骨折といった事故も多い、注意が肝要である。
「場所によっては」:米国(西部)での数日間にわたる乗馬でのトレッキングや、ヒマラヤ周辺国では、シェルパを雇った登山といった楽しみもある。
(2)芸術鑑賞:世界的に有名な美術館や博物館がある場所では、是非足繁く通っていただきたい。世界有数の芸術作品や貴重な考古物が一堂に集められている、例えばルーブル美術館や大英博物館、カイロ博物館の展示物は、日本では到底見ることの出来ないものであろう。また、有名オーケストラやオペラ鑑賞のチャンスも得難いものだ。ちなみに、各国の博物館では国の生い立ちや歴史が分かり易く展示されている場合が多い。赴任地の基礎知識を得る意味からもまず訪れてみたい。
(3)ショッピング:ブランド品の買い物もさることながら、地元でしか手に入らない特産品は赴任の思い出にもなる。宝石、服(刺繍ものや皮革製品)、バッグ、家具、カーペット、置物から、現地ならではの絵画を注文で描いてもらった例等いろいろある。ただし、帰国後の住宅事情を考えずに買い過ぎてしまうきらいがある点は注意を要する。特に家具の場合、サイズが思いの外大きく、家に入らなかったという話はよく聞く。
(4)パーティー:現地での赴任仲間や家族同士で催されるパーティー(平たく言えば食事会)は狭い社会(すなわち仕事)に閉じこもりがちな駐在員(と家族)にとって、和気藹々と楽しめ、かつ情報交換の場ともなる絶好の機会と云えよう。麻雀の人気は一時ほどではないが、ビンゴゲームやカラオケでの盛り上がりは相変わらずである。また、呼ばれる立場から呼ぶ立場(主催者)になると、漸く一人前の駐在員ということになる。
他にも食事や散歩、名所旧跡観光等いろいろ挙げられるが、赴任生活自体は前述のとおり、得てして「日本企業、日本人、企業グループ」の中だけの狭い社会で数年間過ごしがちになるということであり、その間の余暇の過ごし方は、駐在員の健康維持上極めて重要である。余暇も取らず仕事一途で、部下にもそういった生活態度を押しつけるような上司の下で、海外事業が順調に推移するとは考えにくい。また、家族で赴任している駐在員の場合には、先進国・開発途上国を問わず、日本とは違って家族そのものが親類や第三者にすぐ助けを求められない、いわば独立した「小宇宙」的な生活・家庭環境の中で、互いに助け合いながら生活しているわけである。海外でのこのような逃げ場のない生活環境については、特に海外展開の初期段階にあるような企業ではなかなか分かりづらい点ではあろうが、是非理解いただきたくと共に、日本への帰国休暇制度の拡充等で赴任者の活力、健康維持を図られたい。

なお、赴任者の中には日本人社会の「群れる習性」から抜け出して、言葉の壁も何のその、地元コミュニティー活動への参加や子供が通学する現地学校でのボランティア活動で活躍される方も散見される。実りある海外赴任生活の次の目標として、地元コミュニティーでの貢献についても目を向ける必要があろう。
以上