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2006.06.28 No38 海外拠点の内部統制・内部管理体制の強化は喫緊の課題!

昨今、企業で何らかの事件・事故が発生すると、機械・機器等のハード面の問題もさることながら、「内部管理体制ができていない」、「リスク管理がなっていない」「リスクを軽視していたのでは?」といったいわゆる内部統制(Internal Control)について非難されることが多い。わが国企業にとっての喫緊の課題は内部統制強化であると言っても過言ではない状況であり、各社の迅速な対応が求められている。


内部統制の強化は、もともと、米国で相次いだ粉飾決算への対応として2002年に成立した米国企業改革法(サーベンス・オックスレー法:SOX法〔Sarbanes-Oxley Act〕)によって、上場企業の内部統制・内部管理体制の抜本的強化を求められたのもであるが、主要事項としては、財務報告が真正かつ適切である旨の証明を「経営者(CEO、CFO等)」本人に求めている点、経営者自身による財務報告に関わる内部統制の有効性の定期的評価、独立した外部監査人による内部統制監査の実施等が挙げられる。わが国も、「新会社法」(昨年成立、本年5月施行)によって、大会社を対象として内部統制システムの基本方針の決定が義務付けられた。さらに本年6月に成立した、いわゆる「日本版SOX法」の中核とされる「金融商品取引法」により、上場企業は2008年4月以降の事業年度から米国に準じた内部統制システムの導入が義務付けられる見通しである。求められる内部統制システムとは、要すれば、企業の真正かつ適正な財務報告を国内外に関わりなく開示できる体制を作り上げることであり、結果として会社経営者が「報告を受けていない、知りませんでした」といった言い訳の余地をなくすことにある。


内部統制強化の手法については、内部統制のグローバルスタンダードとも云える1998年に公表された米国COSO(*)の「内部管理体制のフレームワーク」以降、COSOはじめ多くの専門家が詳細を著しているが、実務的な立場からすれば、要請される事項に対応するには相当の経営資源を投下する必要があるし、また整備まで時間もがかかるだろう。


内部統制の問題はわが国国内の問題に留まらない。四半期毎の内外連結決算が要求される対象企業の場合には、当然ながら連結対象の海外事業拠点の財務報告についても「真正かつ適切な財務報告」でなければならない。海外での生産が過半を超える企業も少なくない一方で、海外拠点の管理体制はと云うと、日系企業の派遣社員数は限られており、また彼らの殆どは製造部門の技術者出身であり、所謂内部統制に関わる経験は少ないのではないか?


image002.jpgかかる状況下、企業の中には、海外拠点の現状経営状況の把握を目的とした外部監査人による業務監査の実施に加えて、現地の財務・人事管理部門の社員に対する内部統制への理解を高める社内研修の開催が相次いでいる。


管理部門の人材が手薄な場合が多い海外拠点では、在庫管理や売掛管理が不十分であったり、財務の権限が特定の人物に集中していたりといったケースが多く、結果として業績不振や不正の発生につながるリスクが高い。海外拠点の内部統制強化の第一歩としては、まずは管理担当部署が、直接目で見て付き合わせ確認する作業、「現物を現場で精査」することが第一、第二は権限委譲体制を明確にした複数決裁による内部牽制体制の構築が肝要であろう。


image004.jpgちなみに製造拠点の場合、当然ながら生産管理が最優先課題であることは論を俟たないが、「良い製品がちゃんとできているから問題ない、管理は二の次」といった発想はすでに昔の話である。昨今の事例からすると、内部統制とのバランスを取ることが、種々のリスクを回避させ、結果として当該企業の企業価値の向上につながっていくことは間違いない。順調な経営が続く海外拠点の場合は、事実上企業の生命線の存在となっていることもあろう。「内部」統制と「内外」拠点の管理体制はまさに連結して考える必要があるだろう。


その場合、全てを自前で行うことには限界があり、かつ、不慣れな担当者では当初の目的を達成することができない。海外拠点の「業務監査」や「海外内部統制強化」への対応には専門家の起用が考えられる所以である。


以上


(*)COSO:The Committee of Sponsoring Organization for the Treadway Commissionの略

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