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2006.08.10 No39 いよいよ高まる“グローバル化”と、それにともなう“海外の国内化”の進展

昨今では“グローバル”という言葉はいささか使い古された感がないでもない。しかしながら、現在では貿易や経済・投資の分野では、自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)の推進、アジア経済圏構想の具体化が着々と図られている。企業の動向という点では、進出日系企業が約30千社を超えると云われる中国をはじめとして海外進出は高いレベルで継続しており、“グローバル化”の勢いは衰えるどころか、さらに加速しつつある。


image002.jpgかかる“グローバル化“の進展の中で、海外各地の事業拠点に派遣される現地駐在員(そして家族)数の増加も著しい。外務省の調査[1]によれば、昨年海外在留邦人がついに1百万人を突破したとのことである。同調査によると、永住者を除いた、所謂、現地駐在員がその対象となる長期滞在者は700千人超を数え、過去5年間で241千人(増加率+52%)も増加したことになる。地域的には北米が398千人(地域割合39%)と最も多く、続くアジアは261千人であるが、過去5年間での伸びは98千人(伸び率は+60%)と他地域に比較すると高い。国別では、第1位の米国(236千人)に次ぐ第2位の中国(114千人)は、わずか3年前からでも+38千人(+50%)と高い伸びを示している。なかでも広州、無錫、珠海は前年比でも各々47%、67%、116%と倍増の勢いである。


image003.jpg多くの日系企業が海外進出した結果、日系現地法人の事業も、現地の日系企業から調達した部品・部材によって製造した二次製品をさらに他の日系企業に販売(納入)するといった、いわば所在する場所が海外である以外は、日系企業から日系企業という、日本国内と同じ企業連携の中で事業が行われている形態がごく一般化しつつある。海外事業そのものが「国内化」していると云ってもいいだろう。海外駐在員の生活自体も、昼食は日系企業各社の駐在員が集まる「社食風」日本料理店で「豚のショウガ焼き」や「サンマの塩焼」定食を食べ、夜は駐在員仲間と「鮨屋で軽く」、といった日常が当たり前になっている地域も多い。これも国内化と云っていいであろう。/span>


日本からの海外駐在員が増加する一方で、海外からの在留外国人[2]も増加しており、はじめて2百万人を超え201万人と過去最高となった(過去10年間で65万人増、48%増)。


ついでながら海外旅行等での出国日本人数は17.4百万人に達する一方で、観光等の訪日外国人数[3]も6.7百万人(うち韓国・台湾からの観光客のシェア45%)に増加した。


“グローバル化”の進展が“海外の国内化”という現象に結びつくことは、この二つがまさに表裏一体の関係にある証左とも云える。だからといって一概に海外駐在のハードルが低くなったということも言えまい。したがって日本企業としては、これまでのように、海外勤務を国内勤務とは全くの別物と考えるのではなく、海外駐在員について、業務・待遇・処遇から生活全般、メンタル面を含めた健康管理に至るまで、国内での人事管理の経験を活かすような対応が求められることになろう。




[1] 外務省の調査:外務省領事局政策課「平成17年度海外在留邦人数調査」。平成17年10月1日現在での調査
[2] 在留外国人数:法務省入国管理局統計。平成17年12月末現在での統計。
[3] 観光誘致:現在、観光誘致を背景とした「ようこそジャパン」キャンペーンによる外国人観光客誘致活動が行われている。人数は国際観光振興機構(JNTO)資料による。

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