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2007.04.25 No42 国際ビジネス「時間と時差」について
日本人が海外ビジネスにおいて苦手なものの一つに「時間と時差」への対応があるでしょう。今回は日本と海外、日本人と外国人の違いについて述べてみます。
1.「時間」について
「時間」と言ってもいわば「時間の観念」ということですが、一般に日本人は世界で最も時間に厳格(あるいは細かい)と言われています。ビジネスの世界では、5分でも遅刻すると負い目を感じてしまいますし、15分も遅れるようであれば、ビジネスマナーとして、まずは遅れる旨の連絡を入れることになります。逆に10分早く訪問先に着いた場合には、外で待って時間の調整をしたりすることもあります。以前、某商社マンが来社した際に、本人から電話で「ちょっと早く着いてしまいましたが、今から訪問してよろしいでしょうか?」という照会を受けたことがありますが、その時の「早く」到着した時刻はアポイントメントの「1分前」でした。この時はさすがに余りの細かさ(正確さ)に驚かされましたが、このような日本社会の「時間の観念」のままで国際ビジネスをこなしていこうとすると、ちょっと困ることも起こってくるでしょう。
日本人が当たり前だと考える、このような「時間の観念」が通用するのは、先進主要国で、且つ時間に厳格な人物にのみあてはまると考えた方がいいのではないでしょうか。昨今成長著しい中国では、先般中国内陸部のある省政府機関にアポイントを取ろうしたところ、「午後○時」といった単位ではなく、訪問する日、すわなち「○日」に訪れてもらえばいい、という回答を受けた。日本から現地に出張し、「その日」の適当な時間に訪問しても、万一不在であった場合には出張自体がまったく無駄ということになってしまいます。何とか時刻を特定すべく努力したのですが、結局「その日」のアポイントということになりました(結果は「その日」に数回訪問して漸く会うことができました)。南西アジアのケースで「夜7時」開催の結婚披露宴に招かれた某氏は、実際の開宴は遅れるだろうと「9時」に会場に行ったところ、まだ電灯もつかず真っ暗で人っ子一人いなかったとのこと。某氏はさらに10時まで待ったが何の変化もなく仕方なく帰ったとのこと。後で聞いたところでは真夜中12時過ぎに開宴となった由。7時が12時になったからと驚くことはあっても決して怒ってはいけません。そもそも「時間の観念」が違うのです。
5分、10分刻みという電車の時刻表並みに考える、いわゆる日本的時間の観念を、上述のように物事を1日とか数時間単位で考えるこれらの国々のビジネスパートナーや現地社員にあてはめようとすると、とかく「時間にルーズだ!」と険悪な雰囲気になり、挙げ句は労使紛争の火種にもなりかねません。また、日本企業が直面するビジネス交渉では、早急に交渉を決着させる、といった社内稟議で提示された交渉期限に縛られたり、1〜2ヶ月のつもりが2年、3年と長引く交渉に音を上げてしまったりするケースも散見されます。時には相手の「時間の観念」で対応することも肝要です。
日本と海外との違いは、「言葉(言語)が違う、通貨が違う、場所が違う、人種が違う、等々」と列挙できますが、時間も然りで、そもそも相手と「時間の観念が違う」のにも拘わらず、時間に厳格だから良くて、時間に(良く云えば)大らかなことは悪いこと、と一概に決めつけてしまうのは、やはり相互理解に基づく国際ビジネスの基本姿勢に反するのではないでしょうか?
2.「時差」について
日本国内には「時差」も「夏時間」もありません。北海道から九州まで同じ時間ですし、さらに四季を通じて同じ時刻です。ところが海外への出張、駐在となると「時差」は、まさに上述の日本と海外の違いで挙げるべき「時間が違う」ことになり、ビジネス活動すべての前提条件となります。時差を考えずに(あるいは数時間間違ってしまい)真夜中や早朝に海外出張中の上司に電話してしまったといった笑い話も聞きます。米国(本土)では、東部・中部・山岳部・西部と4地域で各1時間づつ4時間の時差がありますが、各地域の州境の一部地域では、地域の経済活動に応じた時差設定がなされており、アポイントの調整に特に注意が必要となります。具体的には東部時間が適用される地域だと思ったら、実は生活上の理由(たとえば、仕事や生活は中部に属する隣町の時間に合わせている場合)からその町だけは中部時間だった、といった具合です。州境をまたぐ出張の場合には、この時差を勘案した行程の作成に相当気を遣うことになります。また、春から実施される「夏時間」も適用前後では注意が必要です(以前、夏時間開始当日の会合に必ず1時間遅れてしまう駐在員がいました)。ちなみに米国の夏時間適用開始日は3月第二日曜日(本年は11月第一日曜日まで適用)で、時刻は1時間早まります。日本での「夏時間」の適用は省エネ効果と共に国際ビジネスノウハウの向上にも効果があるかもしれませんね。