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眞野輝彦コラム

2006.02.01 「郵政民営化の問題点」

―Level Playing Fieldの確保が不可欠―

 今年は、昨年10月に成立した郵貯民営化法の「実施が始まる年」である。
既に1月23日に準備企画会社である。「日本郵政」が設立され、また4月1日には民営化プロセスの監視機関「郵政民営化委員会」が発足する。それぞれのトップ人事も発表されている。

 「実施が始まる年」と書いたのは、郵政民営化法には、2段階の移行プロセスが決められているからである。まず2007年10月に日本郵政公社を廃止し、新しい持株会社の下に郵便事業、郵便局(窓口)、郵便貯金銀行、郵便保険の四社が設置される。次に、2017年9月末までに、金融二社の全株式が民間に放出され、初めて民営化されるのである。

 民営化が直ちに行なわれれば、民間金融機関との差も同時に無くなるのだが、それまでに10年以上の期間があり、この経過期間の同一競争条件実現は極めて難しい状況にある。郵政公社を含め独立行政法人の問題点は、国の資産をタダで使っていることである。郵政公社への国有資産の移転明細は明らかではないが、資産を移転されながら公社であるが故に、民間金融機関が負担している固定資産税を支払っていない。民間金融機関との基本的な競争条件に大きな格差が存在する。この格差を解消し、持ち株会社傘下の別会社である窓口会社に手数料を支払った上で、利益の出る郵貯組織への改革が必要なのである。それが出来なければこの巨大組織を存続させる意味が無い。

 更に注意すべきことは、郵貯銀行と郵便保険以外の組織の将来像が明確ではないことである。郵政公社の郵便事業は5千億円の債務超過である。うっかりするとその穴埋めに、国有資産が舞台裏でこっそりと追加注入されかねない。有権者は既に国有資産が投入されたこの組織が、真に民営化されるのか、今後の長い経過を監視し続けなければならない。

(注)

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