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眞野輝彦コラム

2006.02.21 ― 貯蓄率低下の背景 ―

 2004年の日本の貯蓄率は2.8%と最低の水準にまで落ち込んだ。「日本は貯蓄過剰である。もっと消費を拡大し、輸入を増加させ、経常黒字を縮小するべきである」と国際的非難を浴びたことが嘘のような落ち込みぶりである。

家計貯蓄率推移(年度、%)
家計貯蓄率推移(年度、%)

 貯蓄率は税金など差し引いた可処分所得のうち、どれほど貯蓄されたかを示す比率だが、この急速な低下の原因は二つに大別される。

 第一は、賃金の大競争、即ち外国の安い労働力との競合から、国内所得が上昇しにくくなっていることである。4月から減税の半減が決定されていることから、更なる低下が予想される。いま問題の耐震偽装も貯蓄減少要因である。

 第二は、一度上がった生活水準を引き下げることが極めて難しいことである。勢い、貯蓄額の圧縮、取崩しに繋がることになる。

 日本経済は投資のエンジンが回転し始め、景気を好転させているが、これまで景気を支えてきたもうひとつのエンジン、消費の維持が、貯蓄率を減少させているのである。

 この二つの要因が同時に押し寄せてくるのが老齢世代である。貯蓄は非常事態や老後の生活に備えるためである。年金のみが所得になる老齢世帯の貯蓄が取り崩されるのは当然といえよう。

 更に注意しなければならないことは、ゼロ金利が続いているため、貯蓄の運用がリスクのある株式や金利の高い外国通貨、外貨建証券などにシフトしていることである。 運用シフトは国債購入資金を減少させ、国債金利を上昇させる。歳出圧縮、効率のよい小さな政府が益々必要となる。いわんや談合による税金の無駄使いなどは許される筈がない。

(注)

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