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眞野輝彦コラム
2006.04.21 「長期金利の上昇」―インフレとデフレの混在―
3月9日に日銀が量的緩和政策を解除したことを受け、1.5%前後であった長期市場金利が2.0%近辺まで上昇している。景気が上向き(IMFの実質成長率予測2.8%)であり、消費者物価も2ヶ月連続で0.5のプラスとなったことから、デフレの終焉とゼロ金利からの離脱が近づいていると市場が感じ始めたことの反映である。
市場金利上昇を受けて、金融機関の預金金利や貸付金利が見直されている。ゼロ金利で動きの取れなかった金利機能が再び動き始めたといえよう。金利機能の回復は、リスクに見合う市場金利の形成により、資金が適正配分されることを意味するのだが、770兆円という大きな負債を抱える政府筋からは、長期金利上昇への懸念や牽制が伝えられている。注意しなければならないことを三つ指摘しておきたい。
第一は、短期金利の決定は日銀が主導するが、長期金利は市場で決まることである。勿論、中央銀行による長期国債の買い入れなどで市場を牽制する事は出来るが、介入の量的限度もあり、金利への影響力にも限界がある。
現在の市場の関心亊は、日銀がゼロ金利から「何時」離脱するかにあり、民間需要も回復基調にあることから、遅かれ早かれ金利は上昇するとの見方では一致している。勢い長期国債の買い手は少なくなり、市場は一方通行になりがちになる。
第二は、世界的にデフレとインフレが混在する中で、インフレ要因が急速に強まっている事である。途上国の安い労働力により生産可能な商品には引き続きデフレ圧力がかかっているが、原油を初め、安い労働力では生産不可能な資源価格の急騰が続いている。因みに、日経国際商品指数は、昨年末比で18.5%上昇しており、遅かれ早かれ前者にも影響が出る。ワシントンG7でこの問題が取り上げられる背景である。
第三は、世界的な市場の一体化が進み、日、米、欧の長期金利がほぼ並行して、
0.5%ほど上昇していることである。この流れに逆らう金利操作は難しくなっているのである。
長期国債の市場取引は、変化の局面が近づけば近づくほど一方通行になることを充分認識し、早めに対応しておくことが肝要である。
(注)
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