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眞野輝彦コラム
2006.09.11 「消費者物価の基準年とバスケットの変更」
―新商品価格の下方圧力要因―
8月25日に発表された7月の消費者物価指数は、前年同月比0.2%上昇した。
消費者物価指数は、消費構造の変化に対応するため,西暦年の末尾が0及び5の年に合わせて,5年ごとに「基準改定」が行われる。7月分から平成17年基準となり、調査品目も変更され、指数のプラス幅が縮小した。旧基準では0.6%の上昇であり、基準年変更で0.4%押し下げられたことになる。
今回の対象商品の見直しは、薄型テレビ、DVDレコーダー、フィットネス・クラブ利用料などが追加され、ワープロや鉛筆などがはずされた。
生活必需品の変化に対応してバスケットに投入される商品変更は当然のことなのだが、入れ替えが指数の下押し要因となっていることに注意する必要がある。因みに、5年前の基準変更の時にも0.26%の下方修正となっている。
下押しとなる原因は、今回の薄型テレビ価格の推移が如実に示すように、新商品の発売時の価格は相対的に高いが、需要増加による大量生産に伴い価格低下が続く。またコンピューター技術などは日進月歩のため、同じ価格でも機能が倍加すれば、価格は半分になると計算されていることは良く知られている。
しかし消費者の観点からは、購入価格が下がるわけではない。このことが指数と消費者実感の乖離に繋がる。しかもしばしば一般利用者が殆ど使わない機能が搭載されているのである。逆に、高齢者用の機能は限定されるが、操作が簡単なコンピューターは、機能基準では、価格が上方修正されることになる。
これらの調整は、いずれも消費者物価指数と消費者実感を乖離させ、指数への信頼を低下させる。新商品を、どのような機能を基準に、生産拡大のどの時点の価格を調査するについて、もうひと工夫が必要なのではなかろうか。
(注)
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