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眞野輝彦コラム
2006.10.10 「世界の二つの不均衡」 ―対外収支と分担金の不均衡―
グローバル化の浸透で各国経済が大きく変化している中で、世界の経済・政治に二つの大きな不均衡が存在する。
第一の不均衡は、G7でも度々取り上げられている、米国経常収支赤字累積という経済的不均衡であることは、いま更繰り返すまでもない。今のところ米国赤字が外国からの資金流入で埋め合わされているため、大きな混乱には繋がっていないが、米国の対外赤字が毎年拡大していることを考えると、この状態が将来も続くと言う保証はない。最近の不安材料を三つ指摘したい。
まず資本供給国が、従来の日本やアジアから、産油国への依存が高まっていることである。経済的原因のみならず政治的、宗教的理由、更にはテロ発生などから、現在米ドルで運用されている資金が、いつ何時逆流出に転じるかもしれないのである。
次に、ユーロ金利上昇と存在感の増大である。10月5日ECBは5回目の引き上げを行い、政策金利は3.25%となった。各国の外貨準備に占めるユーロのシェアは、徐々にしかし着実に増加している。中国はじめ幾つかの国が、外貨準備の増加分をユーロに振り替えていると伝えられている。
最後に、米国景気の動向と外国との金利差である。景気の陰りから金利が下がると、米ドル資金吸引力の低下が予想されるのである。
第二の政治的不均衡は、国連や国際通貨基金など戦後戦勝国主導で設立された国際機関の不均衡である。国連で拒否権を持つ常任理事国の発言力とコスト負担の不均衡はその好例である。因みに、日本とドイツの費用分担比率がそれぞれ19.5%、8.7%であるのに対し、常任理事国は、米国の22.0%は良いとしても、英国6.1%、フランス6.0%、中国2.1%、ロシアにいたっては1.1%に過ぎない。既得権が温存され、設立後の変化が全く反映されていないのである。
勿論、わが国も復興を優先し、「大砲を捨て、バターを選択した時代」からの脱却が肝要である。この二つのインバランス是正が安倍新政権の重要な政策目標でなければならない。
(注)
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