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眞野輝彦コラム

2006.10.20 「自助への支援=グラミン・システム」

―ユヌス教授のノーベル賞受賞―
 グラミン銀行(Grameen Bank)を創設したユヌス(Muhammad Yunus)教授(66歳)がノーベル平和賞を受賞することになった。チッタゴン大学の教授であったユヌス教授は、貧しい人々の自立のために必要な小額の資金を無担保で融資する、極めてユニークなグラミン銀行を設立し、多くの貧困者を救った功績による受賞であり、ノーベル賞受賞はバングラデシュ人では初めてである。
 ユヌス教授は、1974年の大飢饉の際、貧しい人々の救済活動を通じ、自ら保証人となり貧しい人々への融資を中心に1983年グラミン銀行を設立した。
 その理念は下記3点である。
(1)貧困層を貧しくしているのは、貧困層を取り囲んでいる仕組みや政策である。
(2)貧困層は熟練が不足しているのではなく、彼らの持っている熟練が有効に活用されていないのである。
(3)Charityは貧困の解決にならず、むしろ貧困を存続させるだけであり、貧困層自身による個々人のイニシャティブこそが大切である。
 貧困層への食料援助は彼らの依存心を助長するとの考え方から、グラミン・クレジットは貧困層の自助努力を通じた自立を促している。借入人は、グラミン銀行の指導の下、事業の進め方、利益の生み出し方、返済の仕方まで自ら考え、実行する。考えてみれば日本の「頼母子講」にも共通する発想であり、その基本は仲間の信頼意識である。
 安倍新内閣による教育基本法改正が始まったが、犬釘が抜けてしまったような最近の日本の世相から脱却するためには、崩壊したCommunityの復活、相互信頼が必要である。Communityの最小単位は家庭である。信頼の基本は家庭での対話と躾にある。学校教育システムの見直しもさることながら、家庭の再構築が不可欠である。

(注)

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