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眞野輝彦コラム

2006.12.20 「コメはご飯ではない(その2)」 ―縦割行政の排除―

 OPECは12月14日ナイジェリア首都アブジャでの総会で、来年2月1日から加盟国の原油生産量を日量50万バレル引き下げることを決定した。今回の追加減産で日量2,750万バレルから2,580万バレルまで減産されることになる。背景には原油過剰供給の懸念があることは言うまでもない。しかし他方では原油価格の急騰を防ぐため原油減産時期を2月まで延期させており、加盟各国の意図は1バレル60ドル水準の維持にあるようである。
 12月1日付けのコラム「コメはご飯ではない」で、「日本の食料自給率がほぼ40%に対しエネルギーの自給率は17%であり、原子力依存分を除くと4%に過ぎず、主要国の常識である50%以上の確保と比較し、驚くべき低さのまま放置されている」ことを指摘した。多くのご意見が寄せられたことに感謝するとともに、OPEC減産のこの機会に、前回書き足りなかったことを追加したい。
 それは各指標間の相互依存関係である。食料自給率40%とエネルギーの自給率17%との間にも相互依存関係がある。もしエネルギー供給が不足すると、食料の自給率も落ち込む可能性が高くなるのである。最近の農作物栽培、特に付加価値の高いものは、露地栽培ではなく、ビニール・ハウスなどで温度調節をしながら栽培されている。もしエネルギー源が無くなると、当然このカテゴリーの食糧生産は落ち込み、食料自給率も低下することになる。極端なケースでは、ビニールそのものも調達できなくなる。70年代オイル危機の際のトイレット・ペーパー騒ぎを忘れてはならない。
マグロの世界的不足が話題になっているが、燃料油がないと、漁にも出られなくなる。戦後、復興のエネルギー確保のため、炭鉱労働者には優先的に食料が配分された、いわゆる傾斜生産が思い起こされる。
 経済各分野間は相互依存関係にある。腰の入ったエネルギー政策策定のためには、「省あって国の豊かさ無し」とならぬよう、縦割行政の排除を一段と加速させることが不可欠である。

(注)

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