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眞野輝彦コラム

2006.12.28 「新年の課題」―物価の二極化解消を―

 現在の日本経済は設備投資と輸出に引っぱられている。この二つの要因が持続するか否かは世界景気の動向に依存する。米国は利上げによるインフレ抑制効果を待っている状態であり、欧州は12月7日に金利を引き上げ、追加利上げも予想されるほど需要は強い。BRICSなどの人口の多い途上国も拡大が持続されているため、日本製品への需要が急速に縮小することはなさそうである。
 しかし日本経済を3%以上の成長に引き上げるには、経済の最大のエンジンである消費の拡大が必要である。消費拡大のためには実質所得の引上げが不可欠である。一部にベースアップの話題も出ているが、企業は名目賃金の引上げには慎重にならざるを得ない。海外には安い労働力がふんだんに存在し、賃金の引上げが競争力を悪化させるからである。
 賃金上昇に多くが期待できない中で消費を拡大させるには、わが国の物価の二極化を解消させる必要がある。国際競争にさらされている分野の物価と規制に保護された物価との格差が日本では極めて大きいからである。
 第一は、農業分野を含め、更なる規制緩和が必要となる。因みに、コメの輸入には700%の関税が課せられているが、このことは消費者が国際価格の7倍の負担を強いられていることを意味する。しかも長年のこの種の施策が食料自給率改善には繋がっていないのである(本コラム「コメはご飯ではない1,2」参照)。
 円高が輸出にマイナスであることは勿論だが、対外不均衡をなくし、円の対外購買力を高め、消費拡大効果があることを忘れてはならない。
 第二は、官民の格差解消である。税調会長辞任問題の背後には、民間対比で安すぎる官の価格がある。しかも官の平均給与は民間より高いのである。
 最近の相次ぐ官製談合問題はまだまだ公的部分には無駄が多いことを示している。日本全体の生産性の足を引っぱっている公的部門の生産性向上が不可欠である。
 この二つの課題を乗り越え、賃金の実質購買力を上昇させることが、日本の成長を3%以上に上昇させる必要条件である。7月の参議院選挙を控え強まることが予想される抵抗勢力による更なる規制緩和と官民格差解消の実施先送り圧力を排除することが、安倍内閣の新年の最優先課題である。

(注)

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