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眞野輝彦コラム

2008.02.13 「G7と日本の経験」 ―各国ミクロ対策が重要―

 世界経済の不安定さが増す中で開催された東京G7会議は、世界経済がよりチャレンジングで不確実な環境に直面しているとの声明を発表し閉幕した。声明では、経済の安定化や成長確保のため、引き続き経済状況を監視し、個別あるいは協調して適切な行動を採ることが明記されているものの、具体的な当面の対応策は示されていない。背景にはG7参加各国の置かれた状況や優先課題が異なっているためである。米国の優先課題は大統領選挙を控えサブプライム問題で不安定さが増す経済の下支えであり、欧州は景気と同時にインフレ阻止に重点がある。巨大な公的債務を抱え、同時に低金利である日本の選択肢は極めて限られている。
 議長を務めた額賀財務相は閉会後の記者会見で「バブル崩壊後の日本の金融危機脱出の経験」を参考に、各国が万全を期すよう要請したことを明らかにした。その具体的意味はマクロ政策と並行してミクロ政策の重要性を強調したのだと、私は理解している。当時、日銀の金利引き上げのタイミングが遅れた事もバブルからの脱却が遅れた一因ではあるが、実際に効力を発揮したのは不動産関係への融資制限と個別問題機関への公的投入というミクロ対策であった。燃え盛る火種に水を直接かける個別政策である。
 ところが今回の特色は、サブプライムの火元が証券化され、世界中にばら撒かれてしまったため、水をかける対象が何処にあるのか、当局が把握できていないことである。しかし、ばら撒かれた火の粉は、各国の金融機関などの不良債権として、徐々に顕現化してきている。この飛び火の所在場所を早急に把握し、それぞれの国別事情に即したミクロ政策で消し止めることが各国の金融当局の課題である。

(注)

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