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眞野輝彦コラム

2008.04.01 「マイナスに転じた実質金利」 ―物価安定が日銀の役割―

 2月の全国消費者物価指数(2005年=100)が、10年ぶりに1%の大台に乗せた。CPI上昇は原油や穀物相場の上昇を反映したコスト・プッシュ要因によるものであることは言うまでもない。企業物価指数(2005年=100)は既に3%を越えており、タイム・ラグをおいて消費者物価に波及することを考えれば、消費者物価上昇は当分続くことが予測される。
 春闘による賃上げに多くを期待できない中で、物価上昇は消費者の財布の口の引き締めに繋がることは当然である。二つ問題点を指摘したい。 
 第一は、下図が示すように年間消費の回数が多いもののCPI指数、即ち生活に密着する物価は既に2%を超えていることである。それだけ家計の主婦はCPI指数以上に毎日の生活での物価上昇を強く感じているのである。
 第二は、実質金利がマイナスに転じていることである。殊に年金が上がるどころか、高齢者医療保険や介護保険料を差し引かれる高齢者生活への影響は大きい。老後に備えた貯蓄で株を買えば値下がりするし、外貨運用も円高リスクが大きい。安全第一で1年ものの定期預金にすると、金利は0.35%(300万円以上のスーパー定期)で、300万円預けても税金を引かれると1万円にならない。しかも1%のインフレが出るとなると、預金300万円の購買力は3万円目減りする。孫に飴玉を買ってやることすら出来なくなる。
 物価の番人である筈の日銀は、実質金利がマイナスに転じている中で、総裁不在のまま新しい年度を迎える。一部のジャーナリズムが問題にしている国際会議への出席には代理出席が可能であり、過去にも例がある。しかし一方で実質金利がマイナスになり、他方では景気悪化も予想されるこの難局を、総裁無しでどのように乗り切るのであろうか、心配である。総裁を空席にした自民、民主両党の政治責任は極めて重い。

                年間購入頻度別CPI推移
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(注)

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