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眞野輝彦コラム

2008.04.21 「名目GDPの重要性」 ―消費者から供給者への所得移転―

 GDPは最重要経済指標の一つである。企業、家庭、政府などの毎日の経済活動がそこに反映され、その動向が逆に各経済主体の行動に影響するからである。市場経済社会では、毎日の経済活動は、市場により決定される価格により営まれ、その集積から名目GDPが算出される。それではなぜ実質GDPが必要なのであろうか?
いまかりにビッグマック(290円)、消費数1,000のみの単純な国民経済を想定すると、名目GDPは290円x1,000=290,000円となる。価格が390円に値上げされ消費量は不変とすると、名目GDPは100,000円増加する。この事実は、消費量は不変で単にインフレが出たに過ぎないことを示す。このため価格変動を調整したものが実質GDPであり、経済活動の実態を示す統計として重視される。
 ところで原油価格は昨年の今頃の50ドル台から110ドルと大幅に上昇している。このため産油国の豊かさと国際的影響力が急速に上昇している。産油国が増産をしてないことを考えれば、産油国の実質GDPは大きく変わっていない筈である。変化の理由は原油価格の上昇が消費国の所得を産油国に移転させているからであり、改めて名目GDPの重要性を認識させる。因みに、従来のOECD参加の条件と考えられていた一人当たりのGDPが1万ドルを越える国の数は50を越えているのである。
名目GDPと実質GDPの使い分けと同時に、GDPの定義そのものを考え直す必要があるのかもしれない。

       参考図 一人当たりのGDPが1万米ドルを越える国の数
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(注)

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