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眞野輝彦コラム
2008.08.20 「北京OlympicにみるGlobalization」
―参加国の増加と多様化―
北京で開催中の夏季オリンピックは終盤に入った。暑い夏を吹き飛ばすような場面も多いTV放送を見ながら感じていることを述べたい。
第一は、参加国の急増である。因みに、日本が戦後初参加した1952年ヘルシンキ大会の参加国は69カ国、1964年東京大会は93カ国に対し、今回の北京大会は204カ国と東京大会の2倍以上に達し、同時に競技種目数も東京の20競技163種目から北京では28競技302種目に増加している。
第二は、新しい国籍を取得して代表になった選手が多く見られたことである。単一民族といわれている日本も例外ではないことが確認された。国境を越えるヒトの移動を増加させるGlobalizationが背景にあることは言うまでもない。有能な野球選手が大リーグに引き抜かれ、日本のプロ野球が二軍化したとも言われている。運動選手のみならずIT技術者などスペシャルな能力者の世界的な招致合戦が続いている。ラーメンからミサイルまで全て国産主義という時代は終わっていることの再確認が肝要である。
第三は、メダルを獲得した国の多様化である。選手名の前に表示されるアルファベットの略字表示をみてもどこの国の選手か認識できず、また初めて見る国旗が多かったことである。20日の時点でメダルを獲得した国は63カ国に達している。
世界経済の運営には主要国のみならずBRICsなど発展国の行動と責任が重要であることが洞爺湖サミットで明確になったが、オリンピックでも同じ現象が見られているのである。
以上の三つの現象はGlobalizationが多くの国を豊かにしている証左と言えよう。
最期に、日本の競技予測には希望的観測が多いと感じたことである。「予想せざる敗北」とか「意地でも勝て」とかの言葉や見出しを見聞きするたびに、終戦記念日が重なったこともあり、相手戦力の冷静な分析が無きまま無謀な戦争に突入してしまった帝国軍部の行動を思い起こさせた。
国内政治は、選挙が近いためか、改革への反対論やばら撒きの復活が強まっている。しかし経済、文化、スポーツにまで浸透しているGlobalizationの厳しい競争に勝ち抜く為には、世界の人材を引き付ける日本の更なる構造改革と相手の力の冷静な分析に基づく戦略が不可欠である。さもないと日本は二軍国に転落しかねないのである。
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眞野 輝彦 (まの てるひこ) | ||||||||||||||||
| 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 客員研究理事 | |||||||||||||||||
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(注)
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