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眞野輝彦コラム
2008.11.01 「空売り規制と同時に空買い規制も」
―市場価格のVolatility対策―
米国はじめ各国の金融不安が、株式、原油、為替など市場価格のVolatility(毎日の変動幅)が拡大し、実体経済に悪影響を与えている。日本政府は株式市場での空売り規制を前倒しして先月末に導入した。ルールの甘い市場が狙い打ちされることは明らかであり、この規制導入は遅きに過ぎた感がある。Global化が浸透する中で、各国間で協調し同じ規制を同時に導入することが必要になっているのである。
注意を要することは、空売り規制の対極にある空買いについても同時に考慮しなければならないことである。日本のバブル時の土地転がし、絵画転がしがバブル崩壊の傷跡を大きくしたことは記憶に新しい。一時原油150ドルに近づいた原油相場が最近70ドル割れと半値以下に急落している背景には投機的な空買いが存在し、需要国・産油国双方を混乱させているのである。
為替市場でも同じように相場の乱高下を避ける必要があるのだが、他の市場と異なり為替相場がお金とお金の交換比率であることから、円も米ドルも同時に同じ方向に調整することが出来ない。円だけが高い状況では全ての通貨を買い支えることが必要になるが、そのような体力が日本にあるのか疑問である。逆に、日本の単独介入は外貨売・円買いの集中砲火を浴びる可能性が高い。実質実効相場が大幅に円安である状態(下図参照)を放置していた付けが回ってきているのである。ドル買い介入と同時にドル売り介入も必要なのである。
チューリップの球根バブルなどの過去の全てのバブル崩壊の前には、必ず行過ぎた空買いがあった。上昇には寛大になりがちなHuman Weaknessを如何に克服するのか人知が改めて問われている。日本は、戦後刷り込まれた「円高は悪」とのDNAを払拭させ、輸出への依存度を低める構造転換が不可欠である。

(注)
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