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眞野輝彦コラム

2008.11.11 「オバマ大統領選出は国際システム見直しの好機」

 「Change, Yes, We Can.」を旗印に掲げた民主党オバマ候補が共和党マッケイン候補を大差で破り、米国の第44代大統領に選出された。47歳の若さ、初の白人ではない新大統領誕生そのものが米国の変化の象徴と言えよう。
 この米国の変化は冷戦時代の二極から米国一極と変わってきた戦後体制を再度見直す好機である。敗戦国日本は戦勝国により創りだされた国連、IMF、GATTなどの国際機関に後から無条件で参加してきた。しかし戦後60年以上が経過しこれらのシステムと各国実体との乖離が目立っている。国連の日本が負担する支出額と常任理事国の負担額を比較すれば、負担と権限のインバランスが極めて大きいことは明らかである。戦後唯一の交換性を持つ米ドルを中心に構築されたIMF体制も米ドルの金交換制停止、いわゆるニクソン・ショックの後、73年にフロートに移行したまま放置されている。地球環境問題も放置できないのだが、いざ改革となると自国の既得権擁護やエゴがむき出しになるのが実情である。しかし危機はチャンスである。グローバリゼーションの進展で世界の相互依存関係の深化が再確認された今回の経済金融危機は、国際システムと各国の責任と負担の不均衡を見直すよい機会なのである。
 日本がこのチャンスを生かすためには従来の受身的外交、即ち海外からの個別の要求に対応する外交から、自らの対外・安保政策を明確にし、実現に向かって努力することが必要である。日米安保が引き続き重要なことは言うまでもない。しかし米国の変化、中国の軍事力拡大など日本を取り巻く新しい状況への自主的対応は主権国家として当然のことである。同時に、 「円安は善、円高は悪」という戦後の円の交換性がない時代の価値判断基準を打ち切る必要がある。通貨が弱くなって栄えた国がないことは歴史を紐解くまでもない。
 11月15日開催予定のワシントン会議は、国際的権利と義務のインバランス解消をスタートさせる重要な会議であり、既にブラジルでG20やBRICsの準備会合が行われている。実状に合わなくなった現在の国際システムを変革させるこの好機を、目先の党利党略の中に埋没させてはならない。

(注)

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