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眞野輝彦コラム

2009.01.13 「金利リスクと為替リスクの違い」

―Per Annumの意味―

 年も改まり、行過ぎた円安(実質実効相場)が是正されたこと、国内のゼロ金利が続きそうなことから、今年は外貨での資産運用を考えておられる方も多いと思われる。そこで 外貨運用に関する注意事項を確認しておきたい。
 第一は、外貨運用では内外金利差と為替相場という二つの要素の先行き見通しが重要なことは言うまでもない。まず注意を要するのは、金利の変動リスクと為替相場の変動リスクの違いである。
 金利はPer Annumで表示され、1%変動しても、一日あたりの変化は1/365である。他方、為替相場はある日、1円変動すると一日で約1/90%の損得につながり、金利利益の何倍かの損得を外貨資産に与えることになる。
 第二は、金利予測に比べ為替相場先行き予測の難しさである。為替相場には関連する国民経済の基礎的要因(ファンダメンタルス)の相対比較が反映される。注意すべきは「相対的比較」ということである。現状日本経済の悪さが目に付きがちだが、関係国の実体がより悪いと、円相場は上昇することになる。逆のケースがあることは言うまでもない。
 しかも為替相場には経済状況のみならず、政治、社会情勢などが大きな変動要因となることである。イスラエルのガザ侵攻で原油価格が上昇したのはその好例である。
 米国のオバマ新大統領の前評判は上々なのだが、新大統領が飛び込む経済や支持情勢は泥水の強い濁流である。しかも6ヶ月程度の間にある程度の実績を出す必要がある。この目途が付かないと「Change」への期待が大きいだけに、株価や為替相場などにネガティブに影響する可能性もあるのである。政治要因は、経済指標と異なり、数量的な分析が難しく、勢い投資家個々人の感触に頼らざるを得ないのである。
 孫のお年玉にもならない実質ゼロ金利が続く中で、外貨運用に手を染めたい気持ちは充分理解できるが、老婆心から注意事項を再確認する次第である。

眞野輝彦 眞野 輝彦 (まの てるひこ)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 客員研究理事
1956年4月東京銀行入行。本店営業部、ロンドン、デュッセルドルフ、為替部、ニューヨーク、フランクフルト、スイス東京銀行、調査部などに勤務
1985年6月東京銀行取締役に就任
1992年2月東京銀行 参与
1996年4月合併により東京三菱銀行 参与
1999年2月東京リサーチインターナショナル 参与
2004年2月東京リサーチインターナショナル 客員研究理事
2006年1月合併により三菱UFJリサーチ&コンサルティング 客員研究理事
その他役職日本商工会議所・東京商工会議所 政策委員会学識委員
国策研究会 評議委員会議長
国際通貨研究所 評議委員
東アジア共同体評議会 議員
日本国際フォーラム 委員
読売国際経済懇話会 特別会員
International Club of Bank Economists 会員

(注)

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