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眞野輝彦コラム

2009.02.02 「読まれなくなった新聞」 ―新聞の機能は何か?―

 新聞業界の採算悪化が伝えられている。世界的不況による広告収入減少も一因であろうが、基本的には世界的な新聞離れがある。フランスでは学生に1ヶ月無料で新聞を配布するようである。新聞離れの原因と新聞の新しい機能を考えてみたい。
 新聞離れの最大の原因は、TVやインターネットとの競合である。世界各地の情報が殆どインターネット経由、無料で読むことができる時代なのである。しかも締め切り時間協定がある日本の新聞には、米国など地球の反対側で起こっている事件や報道が欠落してしまう。24時間世界市場は変動し相互に繋がっているGlobalizationに、新聞は適応できないのである。
 双方向通信可能なデジタルTV時代である。インターネットに慣れ親しんでいる若い世代は、購読料を負担し、しかも重要ニュースが欠落している新聞を読む必要性を感じないのは当然である。更に、地球環境が厳しくなる中で、リサイクルが進んでいるとは言え、新聞は一日たつとごみになる問題も忘れてはならない。
 そこでニュースの速報性ではTVやインターネットに勝てないことは明らかなIT時代の新しい新聞機能の話に移りたい。 
 第一の新しい機能は、複雑化する問題の整理と自己主張にある。新問題が発生する背景解説、新事態に対応すべきかの各社主張の明確化である。
 第二は、日本の実情や上記自己主張の海外への発信である。モノの輸出は得意な日本だが、情報の発信は情報輸入に比較し少ない。新聞は国内読者向との前提で発行されているからである。First Handの日本ニュースの海外需要は増加しているのである。
 新聞社間の協定は締め切り時間だけではなく販売価格にも及んでいる。切磋琢磨のない業界は、読者のニーズへの感度が薄れがちになり、停滞する。ごみの問題もあり発行部数やページ数を競う時代は終焉した。解説・自己主張を競うことになれば、協定も不要になり、国内外の読者もついて来よう。これがIT時代の新聞機能であり、quality Paperへの道と思料する。

眞野輝彦 眞野 輝彦 (まの てるひこ)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 客員研究理事
1956年4月東京銀行入行。本店営業部、ロンドン、デュッセルドルフ、為替部、ニューヨーク、フランクフルト、スイス東京銀行、調査部などに勤務
1985年6月東京銀行取締役に就任
1992年2月東京銀行 参与
1996年4月合併により東京三菱銀行 参与
1999年2月東京リサーチインターナショナル 参与
2004年2月東京リサーチインターナショナル 客員研究理事
2006年1月合併により三菱UFJリサーチ&コンサルティング 客員研究理事
その他役職日本商工会議所・東京商工会議所 政策委員会学識委員
国策研究会 評議委員会議長
国際通貨研究所 評議委員
東アジア共同体評議会 議員
日本国際フォーラム 委員
読売国際経済懇話会 特別会員
International Club of Bank Economists 会員

(注)

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