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眞野輝彦コラム
2009.02.12 「円高メリット還元が最大の景気対策」
米国のサブプライム問題とは最も遠い位置にあると思われた日本が世界的不況の波に巻き込まれている。その最大の原因は過剰な輸出依存体質にある。麻生総理は景気対策により日本が世界で最初に景気回復すると主張しているが、輸出依存の体質改善がない限り、日本は最期に景気が回復することになりかねない。
「いざなぎ景気」を越える戦後最長の景気は5年9カ月で終了したが、この好景気を国民が実感しえなかったのは、成長が輸出主導であり、他方、国際競争の浸透が国内の賃上げを許さなかったからである。
不況が加速する中で円高がスケープ・ゴートにされがちだが、この認識は誤りである。
第一に、現地生産の拡大などから外貨建貿易収支は既に赤字に転じているため、円高の輸入メリットの方が輸出のデメリットより大きい。賃金が低下する情況で、円高による物価低下は、消費者への最大の福音である。ユニクロやマクドナルドなどの好決算の背後には円高を活用した企業努力がある。
第二は、日本の株式などの海外からの買収などがしにくくなることである。逆に、株価が低迷する中での円安は、日本資産の大安売りに繋がることになる。
第三は、最近の円高は過去の行過ぎた円安の調整に過ぎない。実質実効為替相場やBic Mac Indexからそのことが確認できる(出所:The Economist,Jan.22nd 2009
「Big Mac price:$,Switzerland 5.75,Norway 5.74,Sweden 4.59,Euro area 4.50,Brasil 3.39,Britain 3.33,Japan 3.21,Turkey 3.13,Mexico 2.36,Australia 2.31,Poland 2.14,Russia 1.87,China 1.83,South Africa 1.68」)。
第四に、輸出業者は為替リスクを避けたいのであれば、戦後とは異なり円建輸出が可能なことである。外貨建でなければ売れない商品は国際競争力を失っていると自己認識すべきなのである。
天然資源小国の日本が折角手に入れた生産要素を輸出に集中させ、結果として政府、企業、そして個人までもが米ドルなどの外貨保有を増加させている現状は、輸出依存是正の構造改革が不十分であることの結果なのである。
(注)
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