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眞野輝彦コラム
2009.09.01 「日本もジョッブレス・リカバリー時代に」
―問われる民主党の政策遂行力―
サブプライム崩壊、金融破綻に起因する世界的な景気後退から間もなく1年が経過する。景気の下げ止まりを示す幾つかの指標が発表され、株価も上昇している。しかし7月の完全失業率(季節調整値)は過去最悪の5.5%を超え5.7%を記録し、今後更なる悪化が予測されている。
雇用指標が重要な理由はGDPの約70%を占める消費と住宅投資の動向を支配する個人購買力を決定するからである。家計の購買力は就業者数と賃金の積で決まるが、ここでは下記3点を再確認しておきたい。
第一は、失業率の内容である。8月末発表された7月の完全失業者数は359万人と1年前に比べ103万人増加し、一方就業者数は1年で136万人減少し18か月連続の減少となった。また経済財政白書に記載されたいわゆる雇用退蔵、即ち企業内失業(本年1〜3月の試算)は607万人に達している。更に、雇用調整助成制度の7月申請事業所数は83,031と前月比約1割増え、対象者数は243万人に達している。この制度を永久に続けることができないことは言うまでもない。
第二は、現金所得が前年比7.1%低下していることである。特に、ボーナスは前年比で14.5%減少している。遅ればせながら公的部門の給与引き下げも行われることになった。
第三は、雇用統計の遅行性である。前回の景気の底から失業率が5.5%に悪化するまでにほぼ2年間かかっている。前回は史上最大のバブルの崩壊後であったことを考慮しても、今回も1年半はかかることは覚悟しておかなければならない。
景気が回復に転じたとしてもすぐに雇用が拡大に繋がるとは思えない。上記の企業内失業を抱えており、企業収益のための合理化が続くからである。既に米国が経験したジョッブレス・リカバリーの時代に日本も突入しているのである。
政権交替で半世紀を超える自民党支配の間に溜まりに溜まった無駄の整理が期待される(本年1月5日付コラム「小さい政府(歳出圧縮)は毎年使える埋蔵金」ご参照)。民主党政権の不安は外交、特に対米安保対応と財源の不明確さにある。新政権の政策遂行力とその効果、特に雇用情勢の推移を見極めることが肝要である。
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眞野 輝彦 (まの てるひこ) | ||||||||||||||||
| 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 客員研究理事 | |||||||||||||||||
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(注)
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