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眞野輝彦コラム

2009.09.18 「円高ではなくドル安」

―Gold価格上昇の背景―

 藤井新財務大臣の円高メリット発言が話題となったが、円高が低下している賃金・給与の購買力を増加させることは明らかであり、当然の事実を指摘したに過ぎない。この機会に為替問題に関する注意事項を4つ指摘しておきたい。
 第一は、最近の為替相場は円高と言うよりドル安側面が強いことである。為替相場は関係する二つの通貨の換算比率であることから、ドル安即円高と認識されがちだか、どちらの通貨価値が変化しているかを測るためには、第三の通貨との関係をみる必要がある。因みに、年初来のユーロ・円相場は127円台からから135円近くまで上昇し、むしろ円安に推移している。
 第二は、古典的な尺度はGold価格変化である。最近の金相場は1オンス1000米ドルの大台を上回る年初来高値を付けているが、これも米ドル安の反映である。確かに金相場変動要因には、1)実需関係、2)金融不安によるヘッジ需要、3)金利との関連など種々の要因があるが、最近の上昇はドル安要因が強い。
 第三は、各国通貨のインフレ差や貿易量を織り込んだ実質実効為替相場が年初来円安に推移していることである。インフレ率の低い国ほど二国間の相対的競争力が強化される。上昇する生産要素を使う相手国に比較し、コストが安い分だけ有利になるからである・(下図ご参照)。
 第四は、国債の海外消化問題である。貯蓄率が3%を割れ込む状況の中で、財務省は国債の海外消化を図ってきたが、結果は思わしくない。金利が安い国債を買うには、キャピタル・ゲインを生む円高が不可欠なのだが、非居住者は円高阻止の介入の可能性を恐れているからである。財務相は新政策の財源は無駄の削除で捻出できると断言しておられるが、長期的視野での国債海外消化問題が念頭にあるのかも知れない。

実質実効為替相場の推移
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(注)

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