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眞野輝彦コラム
2009.10.21 「加うるは易く、減ずるは難し」
―民主党経済政策への不安―
政権交代後初の国会が10月26日に召集される。対米関係など内外問題が山積しているが、経済政策中心に問題点を整理しておきたい。
第一は、言うまでもなく民主党の公約を織り込んだ95兆円を超える来年度予算(概算要求)である。鳩山首相も赤字国債発行に言及せざるを得ない状況である。選挙中、財源問題は無駄の削除で十分賄えると主張していたこととの矛盾をどの様に説明するのか?仙石行政刷新担当相は、税収の落ち込みが原因と言い訳しているが、それも民主党の予測の甘さの結果に過ぎない。
第二は、郵政株式会社の問題である。民間金融機関と同じ競争条件の確保(Level Playing Field)への逆行である。国際化と景気悪化が進む中で、地方の銀行は業務の確保に四苦八苦している。国家信用を背景とする郵貯金融との競争が加われば、地方銀行、中小金融機関の苦境が加速されることになる。
第三は、金融機関に中小企業向け融資と個人向け住宅ローンの元本返済を3年猶予させる、いわゆる「モラトリアム法案」である。自己改革、自己努力を怠っている企業や個人を何故、どの様な基準で仕分けし救うのか、その最終的負担はだれが負うのかなど極めて不透明であり、逆に、貸し渋りや貸しはがしに繋がりかねない。
国際会計基準が2015年にも義務付けられる見通しの中で、海外からは不良債権の偽装と受け止められ、日本の金融機関の国際的評価を下げることになる。既に、金融部門の株価下落幅が大きくなっている。
第四は、政策の優先順位を決定する鳩山総理の指導力不足である。各閣僚間の発言にばらつきが目立ち、新政権の目玉である国家戦略室もほとんど機能していない。
いま日本経済に必要なのは、体質改善であり、既存体質の温存や改革の先延ばしではない。いくら家計を支援しても、国債残高の拡大が示唆する消費税率の引き上げ、対米関係の悪化による安全保障問題など、将来不安が強まれば、消費拡大には繋がらない(9月11日付本コラム「自民党と民主党の経済政策のアプローチ手法の違い」−国債残高と失業率動向の注視を−ご参照)。この意味で、相次いで来日されるゲーツ国防長官、オバマ大統領との対話は、日本の将来を決める極めて重要なものであり、鳩山総理がこの認識に立ち、対応されることを切望する次第である。
(注)
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