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眞野輝彦コラム
2009.12.01 「バブルの崩壊もデフレか?」
―デフレ定義明確化とパラダイム・シフトが不可欠―
株価や米ドルの連鎖的下落で政府・日銀がどの様な対策を打ち出すのか注目されている。財源不足問題やゼロ金利が続く中で追加対策の選択肢が限られているからである。この機会にわが国のデフレ論議の問題を三つ指摘したい。
第一は、デフレが物価下落と同義語に使われることが多いのだが、そうなるとバブル崩壊による価格低下もデフレということになる。またGlobalizationの浸透による割高な日本価格の低下は、国際貿易のメリットであることを忘れてはならない。
デフレか否かの判断には経済実態の判断を加えなければならない。因みに、政府がデフレ宣言を出した当日発表された7〜9月のGDP成長率は年率4.8%と2四半期連続のプラス成長であり、また11月27日に発表された10月の失業率も5.1%と三カ月連続で低下している。
第二は、何を尺度に物価動向を判断するかの問題である。89〜90年にピークに達した資産バブルは、フロー物価が安定しているとして流動性を供給し過ぎたため、過剰流動性が土地転がし・絵画転がしなどの資産バブルに繋がったことは記憶に新しい。フロー価格と同時に資産価格の動向を注視しなければならない。残念なことにわが国には資産価格の動向を示す指標は極めて少ない。米国に見られるような住宅資産と見合いの借り入れをセットにして売買し、市場需給でその価格が決定されるメカニズムの創出が不可欠である。
第三は、手取り給与が低下している状況下で、物価低下は家計にとっては大きな福音である。またドル安は給与の対外購買力を増加させることになる。原油高が続く中でドル安は企業にとってもエネルギー・コスト高を中和させるメリットがある。ドル安のメリットとデメリット双方をバランスよく把握することが肝要である。
何がデフレかの定義をまず明確化し、「円高は悪、円安は善」、「円高は株安、円安は株高」など戦後刷り込まれたDNAを是正しなければならない。
(注)
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