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眞野輝彦コラム
2009.12.21 「ドバイ・ショックと日本のバブル」
―共通点と相違点―
ヤシの木の形の人工リゾートや世界一高い超高層ビルなどの巨大不動産開発プロジェクトを次々に打ち上げ、中東の金融センター確立を目指してきたドバイ首長国の政府系持株会社ドバイワールドなどが抱える債務返済の猶予を要請したのは11月25日である。昨秋のリーマン・ショックに続き世界経済への悪影響が心配されたが、UAEアブダビ首長国からの資金支援に加え、ペルシャ湾岸産油国による湾岸協力会議(GCC)も支援を打ち出したため、当面世界への波及は抑えられそうである。この機会に日本の場合とドバイ・バブルを比較し、共通点、相違点を考えてみたい。
第一は、不動産中心にバブルが発生したことである。実需もさることながら、値上がり期待の需要が膨らんだのである。右肩上がり経済の期待があった。中東地域でアジアと同様の経済拡大が期待されたのは当然と言えよう。
第二は、日本もドバイも不動産開発の必要資金が主として間接金融で賄われたことである。このため債権者である金融機関の不安は出たものの、米国発の債権証券化・細分化による国境を越えた企業や個人投資家の不安にまで拡大する可能性は低い。かつての南米問題のように、金融債権団によるリスケジュールもできるからである。
第三は、極東の日本も中東のドバイも欧米市場とは時差があり、この時差を埋める金融・商品市場の必要性がある。殊に、中東では巨額なオイルマネーの地場運用に加え、イスラム金融の拡大が期待されており、この要因は今後も持続するものと予測される。
第四は、金融と実体経済のバランスの問題である。日本の場合は、米国に次ぐGDPの実体経済が存在した。それでも回復には「失われた10年」が必要であった。人口も少なく観光・金融以外の産業基盤が小さく、原油も産出しないドバイのバブル崩壊の傷は相対的に大きいと予測される。
第五は、情報公開、特に政府系事業の情報公開が不可欠なことである。日本の新政権が公約として掲げた無駄の排除には情報公開が不可欠であるが、ドバイにも共通している。
日本とドバイのバブル崩壊問題をこの時点で取り上げたのは、世界同時不況と金・商品価格上昇が示すインフレ萌芽が併存しているからである。日本のバブルは円高対策としての金融緩和の見直しの時期を誤ったことに起因したことは記憶に新しい。金融政策の出口論の準備も必要なのが現状と思料する。
皆様よいお正月をお迎えください。
(注)
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