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眞野輝彦コラム
2010.02.10 「ユーロ安の背景と為替動向」
―株価にも悪影響―
ユーロの為替相場下落が目立っている。昨年後半の高値と比較すると対円では135円台から122円、対ドルでは1.52台から1.37近辺まで、それぞれ10%近く下落している。この原因を整理し今後の予測をしてみたい。
第一の原因は、ユーロ圏に内在する問題である。ギリシャの財政赤字拡大によるSovereign Riskの上昇を反映し、Defaultに対する保証コストが急騰している。同種の問題をポルトガル、スペインも抱えており、更にドイツ、フランスもEUの財政赤字の共通基準の上限を越えているのが現状である。
第二は、ドバイ・ショックの金融機関への影響である。この問題は日本ではほとんど取り上げられなくなっているが、貸出残高の大きかったユーロ圏の主要銀行の不良債権が拡大し、自己資本金比率の悪化に繋がっている。このことが世界的な金融株下落の一因にもなっている。週明けの日経平均株価は1万円を、NYダウは1万ドルの大台を割り込むことになった。
第三は、景気の低迷による税収減少、財政赤字拡大である。ECBのトリシェ総裁はユーロ圏の財政赤字はGDPの6%台で、二桁に達している日米に比べれば良好であるとEUを弁護したが、財政赤字は主要国の共通問題であり、景気政策の選択肢を狭めている。先週末カナダで開催されたG7では景気対策の維持が確認され、また財政赤字圧縮問題も取り上げられたが、両者の同時達成が至難であることは論をまたない。
第四は、今後の見通しとも絡む金利動向である。為替変動の要因は対外収支と金利の相対比較に大別される。ユーロの対外不均衡はさほど大きくはない。最大の問題は、経常収支が赤字の米国に資金が還流するか否かであり、ここで運用利回りを決める金利が問題になる。今回のユーロ安の背後には、景気不安からユーロ金利の引き上げが遅くなるとの予測がある。デフレ問題を抱える日本の金利引き上げは、日米欧の中では最も遅くなると思われる。しばらくはユーロ安の地合が続こうが、実体経済予測、金利動向、財政赤字の大きさを考慮すれば、出口論が本格化する本年の半ば以降には円安局面も出てくると予測したい。
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眞野 輝彦 (まの てるひこ) | ||||||||||||||||
| 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 客員研究理事 | |||||||||||||||||
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(注)
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