眞野輝彦コラム
2010.02.22 「エコ政策に矛盾なきや」
―大量生産・大量消費の見直し―
2月15日に発表された昨年10〜12月期の実質GDP速報値は、前期比1.1%、年率換算で4.6%と大方の予想を上回った。1.1%の内訳は内需0.6%、外需0.5%である。GDP項目中最も比重の高い個人消費の伸びが0.7%と高いのは、エコカー減税、新車購入への補助金支給、エコポイントなどの政策効果が反映されていることは言うまでもない。通常、実質GDPが3期連続してプラスになると、景気回復宣言が出されてもおかしくない。その声が聞かれないのは、この政策効果のはげ落ちを心配しているのか(2009.11.02 本コラム「エコ商品の消費押し上げ効果」―需要の先取りに注意を―参照)、それとも最近話題になっている速報値のブレのリスクを回避するため、確報値を見てからにしよういうことなのであろうか。タイミングはともかく、巨大な財政赤字を抱える中で、今後の政策対応のためにも、政府の現状認識を明確化しておく必要がある。
エコ商品でもう一つ注意しなければならないのは、エコ商品購入によりその使用者が獲得する省エネ化とその商品の製造や買い換えられた商品の廃棄などに投入しなければならないエネルギー量の比較である。たとえば、新しい空調機の購入で確かに家庭の電気料金は半分に減るかもしれない。しかし、空調機製造やその廃棄処分に必要なエネルギーが上回ることになれば、何のためのエコ商品かということになるのである。
戦後、大量生産、大量消費の発想で経済を拡大させ、その都度種々の公害を経験してきた。同時に日本のモノを大切に使うという美風も失われた。省エネが必要なことは言うまでもない。しかし、同時に、その導入による経済全体のソーシャル・コストという問題認識が不可欠と考える。
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眞野 輝彦 (まの てるひこ) | ||||||||||||||||
| 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 客員研究理事 | |||||||||||||||||
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(注)
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