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眞野輝彦コラム

2010.03.11 「オリンピックメダル獲得予想と為替相場」

―相対比較の重要性―

 82カ国・地域が参加したバンクーバー冬季五輪は2月28日の閉会式で、17日間の熱戦の幕を閉じた。日本のメダル獲得数は金0、銀3、銅2であった。15歳の若い中学生の参加、制服問題など話題も多かったが、テレビ中継の解説を聞きながらの感想を二つ述べたい。
 第一は、メダル獲得の予測である。勝負の予想には、相手国選手の技量水準の冷静な分析が不可欠なことは言うまでもない。ところが獲得期待が強い競技ほど、日本選手の身びいきからか、良い点が強調されがちであり、相手選手との冷静な相対比較にやや欠ける気がした。このことは私が永年かかわってきた為替相場の予測と共通している。その時々のジャーナリズムに取り上げられる要素に予測が引っ張られがちだが、それに惑わされずに当該通貨国のファンダメンタルズとのクールな比較に徹しないと判断を間違うことになる。現在たまたまユーロ圏の問題(特にギリシャのソブリン・リスク)や米国の住宅への融資問題が脚光を浴びているため、消去法的選択からか円が買われている。しかし、わが国の公的債務は他に例を見ない高い水準にあり、格付機関もその先行きに注目している。ギリシャ問題は、日本の問題でもあることを忘れてはならない。
 第二は、メダル獲得数の順位である。金が無かったことを含め獲得数の同列15位という順位は世界経済の中の最近の日本経済の順位を象徴的に示している。隣国、韓国の躍進、殊に選手の派遣総数との比較での獲得数には目を見張るものがあった。その躍進とアジア不況、リーマン・ショックを乗り切った自信とを二重写しに感じさせた。
 この日本の世界のなかの位置を十分認識し、中長期計画の策定が不可欠である。さもないと日本は近隣国の中に埋没しかねないのである。

(注)

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