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眞野輝彦コラム
2010.06.11 「経済実態と株価のギャップ」
―大きい政治要因―
内閣府は、6月7日、経済動向指数研究会を開き、2007年11月に始まった景気後退局面は、昨年3月に終わり、4月から景気拡大局面に入ったと判定した。確かに、実質GDP成長率は、昨年4〜6月期6.9%、7〜9月期0.4%、10〜12月期4.6%、本年1〜3月期5.0%(いずれも前期比年率)と潜在成長力を超える水準で推移している。一方、株価の推移をみると景気回復が始まった昨年4月から6月の日経平均株価(加重平均)9,294円から、本年4月には、11,400円近くまで上昇したが、その後は、下げ基調となり、最近では9,500円を下回る水準にまで下落している。この実体経済と株価推移のギャップの原因を考えてみたい。
第一は、株価は、経済の将来の動向を先取りして動くと考えられることである。ギリシャに端を発するユーロ不安は、EUの7,500億ユーロの緊急支援枠組合意にも拘わらず、収束したとは言えない。逆に、財政不安問題はPIIGS諸国から、ハンガリーなど旧東欧にも拡散し始める様相であり、日本や米国にも波及する可能性も否定できないと思われる。日本の最近の株価は、輸出主導の日本経済に与える悪影響を先取りしているのではないかと思われる。
第二は、6月5日に閉幕したG20蔵相・中央銀行総裁会議でも取り上げられた様に、各国の財政問題に焦点が当てられがちだが、株価が先取りするのは経済問題ばかりではない。その裾野は、政治、外交、軍事など極めて広いのである。日本の政治、即ち政権交代への期待と不安が大きな変動要因となっている。即ち政権交代への期待が本年4月までの株価上昇に、それ以降の下落は、座標軸の見えない政治不安を反映している危険性がある。
菅内閣が6月8日に発足した。ギリシャ問題もハンガリー問題も政権交代が絡んでいる。逆にいえば、新内閣の発足は株価の先読みを変えるチャンスでもある。沖縄問題(対米問題)、公的債務問題(税制問題)などに菅内閣がどの様に対応するのか、株価は見守っていると思われる。
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眞野 輝彦 (まの てるひこ) | ||||||||||||||||
| 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 客員研究理事 | |||||||||||||||||
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(注)
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