働き方の変容 オンラインコミュニケーションにおける留意点

2020/06/18 新井 みち子
組織・人事戦略
デジタルイノベーション
変化を捉える【経営・業務】

1. 加速するテレワーク導入と組織の新たな課題
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言以降、テレワークの導入が加速している。4月中旬に実施されたパーソル総合研究所の調査 によると、「緊急事態宣言後、正社員のテレワーク実施率は、全国平均で27.9%。3月半ばの時点では13.2%であり、1カ月で2倍以上となっている。」とある通り、3月から4月にかけてテレワークが急速に導入された。また、「エリア別に正社員のテレワーク実施率をみると、緊急事態宣言地域の7都府県で38.8%、それ以外の地域で13.8%。7都府県はそれ以外の地域に比べて2.8倍実施している。東京都に限れば49.1%(3月半ばは23.1%)」と、緊急事態宣言地域の7都府県においてテレワーク実施率が高く、とりわけ東京都では約半数がテレワークを実施していることになる。さらに、「テレワークを行っている人のうち、現在の会社で初めて実施した人は68.7%。3月半ばは47.8%だったため、『テレワーク初心者』は大幅に増えている」としている。これらの調査結果から、前例のない規模でテレワークが導入されたことがうかがえる。
環境整備等の準備が十分でないままに苦渋の決断でテレワークを導入した企業では、ノートパソコンの不足、社内システムにアクセスするVPN の同時接続数が限定される等、さまざまな混乱が生じていた。新入社員が入社初日から自宅待機になった企業や、急遽オンラインで新入社員研修を実施した企業もある。6月に入り、ようやく環境が整いはじめた企業も、円滑な業務遂行にはまだまだ時間がかかりそうだ。
前出の調査によると、「テレワークを行っている人の『不安』をランキング化すると、1位『相手の気持ちが分かりにくい』で37.4%、2位『仕事をさぼっていると思われないか』で28.4%」との結果も出ている。また、「テレワーク実施の前後の『変化』について、上司とのやりとりが減った=45.2%、同僚とのやりとりが減った=50.0%」と、コミュニケーションに関する課題が上位に挙がっている。
本稿では、導入が進むテレワークにおけるオンラインコミュニケーションの在り方について解説する・・・(続きは全文紹介をご覧ください)

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