市場収益に依存する地域銀行~顧客部門利益回復まで時間稼ぎを~

2021/04/22 杉山 敏啓
経営戦略
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地域銀行の市場収益依存度が高まり、2019年度決算では地銀全体の経常利益の 99%を市場部門で稼ぐという収益構造となった。マイナス金利政策導入後に地銀平均の貸出金利回りと有価証券利回りが逆転し、リスク・リターンの効率性について、市場部門が預貸取引を中心とした顧客部門を上回る事業環境になっている。これを鑑みれば、市場収益で稼ぐのは合理的な経営行動である。地銀にとって顧客部門と市場部門はいわば二大収益部門であるが、本業である顧客部門が赤字体質のまま、市場部門に依存した片側エンジン飛行が長引くと、経営の持続可能性が心配される。市場収益でつないで時間を稼ぎ、顧客部門の収益性回復を図る必要がある。

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(時事通信社『金融財政ビジネス』2021年3月22日号より転載)

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