1. はじめに
子どものなりたい職業ランキングにYouTuberがランクインするなど、昨今、“クリエイター”に注目が集まっている。YouTubeのような動画投稿サービス以外にも、文章や写真、イラストなどを発信するプラットフォームを通じて、多数のクリエイターが活躍している。近年では、デジタルコンテンツの提供に留まらず、自分自身で制作したグッズやスキルの販売など、クリエイターの活躍の場が大きく広がりつつある。また、クリエイターの活動のマネジメントや事務手続きをサポートするサービスなど、クリエイターの活動をさまざまな観点で支援するサービスも登場している。クリエイターを中心としたこれらの経済圏は“クリエイターエコノミー”と呼ばれ、2021年にはクリエイターエコノミーの普及・促進とその活性化に向け、一般社団法人クリエイターエコノミー協会が設立された。
このように、幅広いジャンルのプラットフォームやサービスがクリエイターエコノミーの発展を支えてきた一方で、その実態は、これまで必ずしも明確になっていなかった。そこで、一般社団法人クリエイターエコノミー協会と当社は共同で、「国内クリエイターエコノミーに関する調査」を2022年4月から9月にかけて実施した。
本稿では、その主な結果を紹介するとともに、今後の国内クリエイターエコノミーの方向性について考察する。なお、特に断りのない限り、以降の記述では「クリエイター」および「クリエイターエコノミー」は、「“国内の”クリエイター」および「“国内の”クリエイターエコノミー」を指す。
本調査では、クリエイター、ユーザー(クリエイターの創作物の視聴や購入等を行う方)およびプラットフォーム企業等の実態や課題を把握するため、国内・海外のクリエイターエコノミーに関する文献調査、クリエイターに対するアンケート・インタビュー調査、ユーザーに対するアンケート調査および関連企業・団体に対するインタビュー調査の4つを実施した。
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