【特別企画/全国 1 万人調査】自粛生活におけるエンターテインメントの重要性

2020/06/24 横幕 朋子、矢島 洋子
1万人調査(第1回)

1. はじめに
新型インフルエンザ等対策特別措置法によって4月17日から緊急事態宣言の対象は全国へと広がり、その後段階的に宣言は解除された。しかし、ライブ・エンターテインメント業界に目を向けると、緊急事態宣言よりも早い2~3月の段階から、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、演劇やコンサート、イベント等の開催中止が続いていた。公益社団法人全国公立文化施設協会の調査によると、3月16日時点で、公立文化施設が主催する自主事業の92.3%が中止・縮小・延期となっていたという 。
また、ぴあ総研の調査によると、2020年2月から2021年1月までの1年間までにライブ・エンターテインメント業界が被る損失額は推計で6,900億円(年間市場規模の77%)になるという 。国は、持続化給付金や「文化芸術活動への緊急総合支援パッケージ」として令和2年度補正予算に560億円を計上する 等、関係者への支援を進めているが、市場全体の経済的損失は大きい。
一方で、イベントの開催や営業を自粛するアーティストや映画館・劇場等の中には、無観客ライブ映像の配信や過去の上映作品のオンデマンド化等を行い、人々が自宅で楽しめるコンテンツを提供する様子も見られた。
このような状況を踏まえて本稿では、自粛期間中にどのようなエンターテインメントが人々によって楽しまれたかを把握し、エンターテインメントが自粛生活において果たした役割について検討する。新型コロナウイルス禍のエンターテインメントに着目した調査に関しては、業界の経済的損失に焦点を当てたものはみられる一方で、消費者側に着目した調査はあまり行われていない。本稿では、4月17日から5月6日の全国一斉緊急事態宣言下における一般の人々のエンターテインメントの楽しみ方に焦点を当て、ストレス解消・癒しとなったものやライブ・アーカイブ配信の利用状況等について把握する。・・・(続きは全文紹介をご覧ください。)

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