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サーチ・ナウ
2007.04.02 地域経営が直面する3大テーマ
研究開発第1部(名古屋) 主席研究員 加藤 義人
国土形成計画や道州制の論議などが本格化しつつある今日は、改めて地方のアイデンティティ時代の到来とも換言できよう。しかし、財政制約が厳しい状況は続いており、地域経営の舵取りは非常に難しい局面にあると言わざるを得ない。こうした中、地域が必要とする公共事業を的確に推進していくためには、そのプロセスにおいて必ず遭遇する3つの大きな共通テーマがある。ここでは、近年ニーズの高い3大テーマを紹介したい。
| ■事業の必要性・意義の明確化 〜事業評価・経済効果〜 「この事業は本当に必要なのか?」あるいは「どの事業の優先性が最も高いのか?」という問いかけは、政策担当者の中で日常的に自問自答されているのではなかろうか。近年、特定の事業の必要性や優先順位を評価することは「事業評価」として位置づけられ、経済モデルやアウトカム指標等を活用した分析に基づき、必要性や優先性が評価されている。必要性評価とは様々な効果を体系化する検討であり、優先性評価とは社会経済へのインパクトについて事業間の比較を行うことである。これらを科学的に紐解くとともに、住民に現実感のある説明を果たしていくことが、今後益々重要性を増していくものと考えられる。 |
| ■事業化手法としての民活導入 〜PFI、指定管理者制度、市場化テスト等〜 必要と判断された事業を緊縮財政の中で推進していくためには、民活手法を導入することも重要な選択肢となる。近年、多くの事業で導入されているPFI手法は、民活手法の代表例として定着しつつあり、これを有効に活用していくことは行財政運営上の今日的な手腕とも言えよう。また、地方自治法の改正に伴う指定管理者制度との組み合わせ等により民活手法の組み立てはさらに多様化しており、さらに市場化テストの導入も本格化する兆しとなるなど、事業手法の選定・構築は知恵の絞りどころである。事業手法は、自治体の置かれた状況、事業が抱える固有の課題などを背景として選択されるため、ハンドメイドにならざるをえず、個々の事業にベストマッチする事業手法の探索が鍵となる。 |
| ■民意の反映 〜パブリックインボルブメント〜 公共事業のPDCA(Plan,Do,Check,Action)サイクルにおいては、住民との対話が不可避となっている。即ち、住民ニーズを的確に捉えて施策立案に反映させること、施策の実行にあたって的確な情報提供を行うこと、実施された施策に関する住民の満足度を把握しつつ評価を行うこと等である。こうした一連のPDCAサイクルを対話型で推進していくパブリックインボルブメントは、行政機関のコーディネート力が強く求められるところである。その実践に当たっては、満足度調査、タウンミーティング、ワークショップなど多様なツールを組み合わせながら、効率の良い情報発信と意見集約を進める必要がある。 |
これらの3大テーマへの取り組みにあたっては、「科学的な検証」、「住民ニーズや市場に照らしたチューニング」、「分かり易いプレゼンテーション(PR)」であり、まさに公共事業をエンジニアリングするかのごとくの技能が求められているものと考えている。