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サーチ・ナウ
2007.10.01 セカンドライフ de マルチライフ
第2の人生で二地域居住
「二地域居住」とは、国土交通省国土計画局の組織した「二地域居住人口研究会」で平成17(2005)年に提唱されたもので、「都市住民が定期的・反復的に、農山漁村等の同一地域に滞在する」ことを指す。同研究会の『「二地域居住」の意義とその戦略的支援策の構想』報告書では、二地域居住人口は平成17(2005)年の約100万人(都市人口比で2.5%)から平成22(2010)年には約190万人(同4%)となり、その後も平成32(2020)年約680万人(同17%)、平成42(2030)年約1080万人(同29%)と成長していくと見込まれている。
実際には、金銭面、精神面、時間面等のさまざまな負担に伴う制約が想定されるため、これはかなり大胆な見通しであるとしても、可能であれば二地域居住に挑戦してみたいという思いがそれなりに強いことは各種アンケート調査等でも示されている。特に、職場という居住地に対する強力な束縛から解放される、定年退職後のセカンドライフにおいて、二地域居住またはそれに類するような形態で、複数の地域コミュニティと関係を持つ「マルチライフ」を過ごす人はこれからも増えていくと想定される。
仮想空間でのもう1つの人生
仮想空間を構築する上で、現実空間を模することは直感的に優れた方法のひとつであり、以前よりさまざまな取組、検討が行われてきた。このような3次元仮想空間は、平成4(1992)年に発表されたSF小説「スノウ・クラッシュ」を語源とした「メタバース」と称される。これまでは、電子計算機の演算能力および通信回線の速度等の環境面の制約から、その実装には困難が伴っていた。しかし、近年の情報通信機器および基盤の能力向上に伴い、徐々にこれらの取組が軌道に乗り始めている。
メタバースを志向した取組のなかで、現在代表的な地位を獲得しているのは、米国リンデンラボ社の「SecondLife(セカンドライフ)」である。その登録人口は平成18(2006)年後半から急成長しており、まもなく全世界で1000万人を超える(重複登録者も含む)と推察される。日本語化をはじめとしたローカライズの進捗に伴い、日本人参加者も増加すると思われ、若年・青年層を中心に、リアルライフに加え、セカンドライフ等のメタバース上での「マルチライフ」を過ごす人が増えていくと想定される。
そして「マルチライフ」時代へ
これまでも、リゾートやオンラインゲーム等でその萌芽がみられてきたが、一般的な日常生活に加えて、自分の嗜好や感性にあった地域やメタバースにおいて異なる人生を楽しむ「マルチライフ」層が、今後はより一層、増加していくと考えられる。
しかし、異なる人生を楽しむといっても、一人ひとりの持ち時間が増えているわけではない。そのため、単なる地域同士、メタバース同士にとどまらない、時間を消費する全ての財・サービスとの競合が発生することになる。地域や企業が、「マルチライフ」の存在を前提とした戦略を考えなくてはならない時代が到来しつつある。