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サーチ・ナウ

2008.02.25 サーチ・ナウ:韓国新大統領への期待

研究開発第2部(名古屋) 主席研究員 中丸 忠

 最近、名古屋の街でも外国人の観光客と出会う機会が多い。中でも韓国の団体客が多いようだ。円安の影響かとも思うが、韓国の人々が海外旅行をレジャーの中に取り込み、日本にも関心を注いでくれていることの証であり、大きな流れの一端であるもののようだ。
 「韓国の所得水準、生活水準は、着実に向上している」というのは、もはや旧聞に過ぎ、中国や中東など海外進出をバネにした経済発展は国を富ませ、パーヘッドでは、日本に追いつき、追い越す勢いを見せている。日本と同様、狭隘で資源のない国であることから、自動車、造船、鉄鋼、電子機器、建築・土木などの技術力を生かしての海外進出だ。
 韓国は、日本と同様の軌跡を描きつつ、発展する一方、日本とは異なる大きなテーマを抱えている。北朝鮮との統一問題である。ベトナム、ドイツが冷戦下の分断状況から脱し、産みの苦しみを経つつも統一を実現したのに対して、韓国・北朝鮮は同一民族でありながら分断国家のままである。
 米ソの冷戦が終わってほぼ20年が経つが、その後の米国の一人勝ちによるグローバルスタンダードの形成とほころび、経済大国中国そして資源大国ロシアの再登場といった時代の大きな流れの中にあっても、38度線付近には半世紀前の冷戦構造を色濃く残したままだ。近代資本主義国家として10本の指に入らんとする国と50年前の体制を墨守する国との統一は、「言うは易し」であろうし、鴨緑江を挟んで中国軍と米軍が直接対峙することを避けたいという関係国も多かろう。また、米韓相互防衛条約そして日米の安保条約が単に軍事力のみに作用しているものではなく、包括的な連携を意味するものであれば、その改廃の影響も大きい。
 新たに韓国大統領に就任される李明博氏は、学生運動家、サラリーマン、大企業社長などを経て政治家になられた豊富で多様なご経験をお持ちであり、南北統一といった長期的なビジョンを要する課題と経済問題や少子高齢化、環境等日々の着実な対応の積み重ねを求められる課題の双方に新鮮で柔軟な取組みを進めていかれることを期待させていただきたい。
 日本との関係については、閉じられた空間の中での両国関係を論じるよりもグローバル化、多極化が進む中で捉えたほうが両国の共通の利益を見出しやすいと思われる。米国、中国、ロシア等の大国が幅を利かす中で、両国がきちんとした存在感、発言力を示すことは大事である。ハンドボールの中東の笛へのクレームが世界に認められたのも両国が協力したことが大きい。
 また、両国にとって少子高齢化や春の黄砂が悩みの種であることも共通であり、問題の共有化や協力を積み上げることができるテーマは多いはずである。

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