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サーチ・ナウ

2008.03.17 「地方分権はなかなか難しい」

研究開発第2部(大阪) 主任研究員 今西 一憲

 今進められている「地方分権」は、それぞれの地域の特性や住民のニーズを考慮しながら、地方自治体が独自の発想と責任のもと「国の制度的しばり」から解放され自由に政策を進めていくことと理解しているが、財政状況が非常に厳しいという状況の中、一部では全く逆の状況も起こっている。その一例をご紹介したい。
 平成18年から障害者自立支援法が施行され、その中で、障害者の方々が入所施設ではなく、地域で小規模な共同生活を営むための施策として「グループホーム・ケアホーム」が制度化された。しかし、これは知的障害の方と精神障害の方を対象とするもので、身体障害の方は対象となっていない。この制度の是非については当然議論すべきことであるが、ここで注目すべきは地方自治体の対応である。
 身体障害の方を対象とするグループホームは、一部の自治体で以前より単独事業として実施されてきた経緯があるが、それらの自治体の方から「国が制度化していない施策をこれ以上単独事業として続けていくのは難しい。財政当局からは予算を削減するといわれている。」とのお話を伺った。また、アンケート調査を行った結果においても、未実施の自治体では「国が制度化していない施策を独自に実施するのは難しい」とのご意見が多かった。
 「地方分権」とは何なのかと考えてしまった。効果や必要性の乏しい事業・経費を見直していくのは当然としても、財政状況が厳しいから「国が制度化していない施策」をカットしていこうとする発想はちょっと違うのではないかと思う。その施策がなくなった場合に発生する状況、「地域の中での共同生活の場がなくなればその方々の生活はどうなるのか」、「代替する手段は用意されているのか」などを十分に検討し、適切に対応していくのが地方分権ではないのかと思う。もちろん国の制度の見直しは必要であると思われるが、国の制度に追随するという発想は変えていく必要があるのではないだろうか。このような問題は福祉の現場の方々は十分にご理解されていることであろうが、財政や企画などの管理セクション、特に自治体のトップマネジメントを担当される方々に発想の転換をお願いしたい。

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