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サーチ・ナウ
2008.06.30 行政機関の評価は、「事前評価」が重要です!
1.「事前評価」の重要性
行政機関の評価(「行政評価」「政策評価」)が導入され数年が経ち、徐々に活用されるようにもなっています。評価として一般的に理解しやすいのは、目標の達成度合いを把握する「事後評価」ですが、日本でより一層注目すべきは、実は「事前評価」です。
「事前評価」は、行政機関が事業やサービスを実施する前の計画段階にて、より良い意思決定をするための評価です。具体的には、「問題の本質は何か」「それはどの方法で解決できるか」「計画されている事業やサービスでそれを十分に解決できるか」「不要な副産物が発生してしまわないか(環境影響など)」「投入しようとする費用(税金)に見合う成果は得られそうか」を、事前に検討します。
| 事前評価 | 中間評価 | 事後評価 |
| 事業・サービスの計画段階 | 事業・サービスの期間中 | 事業・サービスの終了段階、もしくは終了後 |
| 複数案の中から、より良い意思決定(選択)をすること | 事業・サービスの進捗状況を確認して、(目標の達成に向けて)必要な修正を施すこと | 目標の達成状況を確認すると共に、今後の課題や改善点を把握すること |
ではなぜ、「事前評価」が重要なのでしょうか。それは、しばしば指摘されるように行政機関が「計画の実施」や「予算の獲得」を重視しがちなことに加えて、行政の仕事は多くの場合、一旦始めてしまうと止めにくいからです。その段階でできるのは、せいぜい「精一杯活用しよう」と工夫することぐらいです。「事前評価」をしっかり行うことで、また国民の立場でそれをしっかり確認することで、「適切な事業やサービスを始める(=要らない事業やサービスは始めない)」という、基本的かつ重要な方針を貫けるようになります。
2.「事前評価」の要点
それでは、「事前評価」を行う際の要点は何でしょうか。現状を踏まえると、以下の3点がとても大事になります。
(1)「代替案」の検討
一般に行政機関は、代替案の検討が余り得意ではありません。目的を達成しうる様々な案のメリットやデメリットを比較考量して「どの案がより良い成果を生み出しそうか」などの分析をせずに、特定の事業やサービスを決め打ちにしがちです。そうではなく、様々な案を客観的に分析して、実施する事業・サービスの内容を固めることが重要です。
例えば、関心の高い消費者行政では、問題に対処し消費者を保護する方法として、事業者に対する法規制、事業者による自主規制、事業者や消費者への情報・研修などの提供、被害を受けた消費者の救済、これらの組合せ、などの案が考えられます。
(2)「費用」と「便益」の分析
次に、経費(税金)の投入に見合った成果が見込めるのか、をしっかりと分析することが大事です。本来は、複数の代替案を横一線で比較して、どれが最も効率的かを客観的に分析することが望ましいです。それが難しい場合にも、簡便な分析にしてしまうのではなく、行政機関の人件費・事業費や、住民や民間企業に発生する負担増など、「費用」をしっかり把握することが求められます。
(3)「オープン」かつ「連続的」な討議
すでにほぼ結論を出した計画を、「これで良いよね」と最終確認するために公表して意見を求めるのではなく、計画に着手した早い段階から利害関係者とのオープンな討議を始めることが大事です。また連続的に討議の機会をもって、多様な利害関係者の意見を聞き、また現場にある多くの情報やデータを得て分析の精度を高め、さらには利害関係者の意見を収束させ合意を形成していくことが重要です。
3.今後の進め方
今後の「事前評価」は、その本来の趣旨である「意思決定の手段」として使うようにすることが何よりも重要です。そのためには、制度上の対策に加えて、国民も自らの立場から、「事前評価」の内容と結果を丁寧に確認して、きちんとした分析がなされているか、その結果として真に必要な事業やサービスが行われているのか、に気をつけることが求められていきます。