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サーチ・ナウ
2008.07.22 地域力連携で団結せよ
去る5月30日、全国316の拠点で「地域力連携拠点事業」がスタートした。この事業は、日本の強みである「つながり力」を更に強化することで、中小企業の経営力の向上や事業承継等、中小企業が直面する課題に対してきめ細かな支援を行うことを狙う。
支援は、商工会議所などに置かれる「地域力連携支援拠点」が中心となり、中小企業診断士、税理士、企業OB、優秀な経営指導員等がコーディネーターとなって「悩む中小企業」の掘り起こしにあたり、「経営力向上」、「創業・再チャレンジ」、「事業承継」等の課題解決を、商工会・商工会議所、農協や金融機関、自治体や国の支援機関、大学等と連携して支援する。
支援内容には、地域らしい特徴的な支援が見られる。例えば、「経営力向上」では、「見えない資産の把握・活用」支援があげられる。これは、中小企業等が有する技術や創造力、人脈や信頼等の無形の資産(知的資産)を文書化(「見える化」)し、取引先や金融機関、従業員等の関係者とのコミュニケーション能力を高め、企業信用力の向上に繋げるというものである。
また、「地域資源活用」の視点では、地域の特徴的な素材や技術(地域資源)の活用によって、中小企業の新商品開発や販路開拓、ブランド力構築等を支援する。
「農商工等連携」では、農林漁業者との連携(農商工等連携)によって、同じように新商品開発や販路開拓、ブランド力構築等を支援する。
特に「地域資源活用」、「農商工等連携」の支援では、コーディネーターが企業を訪問するハンズオン型支援を目指しているのも、地域ならではの、きめの細かな支援といえよう。
さて、地域力の強さは、関係者の存在が身近であり、メンバーの人間的な魅力を通じて生まれる求心力を通じて信頼、団結できることである。
先日、ある最先端技術を開発するプロジェクトを立ち上げるための準備に参加した。異なる分野の全国ならびに地域を代表する企業や大学研究者が集まり、共同開発のビジョンを検討していた際に、知的財産の管理方法について議論が進んだ。
合同会社を立ち上げ、管理するのが良いのではないか、という意見が出たものの、その一方で、今の段階で、知的財産の取り扱いについて組織的に議論するのは、プロジェクトの発展性やスピードの点で得策ではなく、具体的な開発や成果が見えてくる時点で、考えればよいことで、それまでは、大人の話し合いで進めましょう、ということで落ち着いた。
緩やかな連携で、ビジョンを仲間で共有し、スピード感・機動力を持って競争力の核心を仕込む。このような取り組みが、地域力連携のもつ強さであろう。
地域力を伝達するのは人のコミュニケーションであって、力の源泉は人材に帰着する。労働力人口の減少局面に入り、人材不足が、地域活性化の深刻な阻害要因となってきている。また、その質という点においても、世代や組織を越えたコミュニケーションの不足について危惧する声が聞かれる。
「地域力連携拠点事業」では、中小企業診断士、税理士、企業OB等がコーディネーターとして活躍することが計画されている。私が必要と感じるのは、こうした人生・ビジネス経験の豊かな専門家の支援活動に、学生などの若い世代が参加して体験する機会を設けることである。地域力連携のプロジェクト通じて、地域の企業や人にビジネスやコミュニケーションを学ぶ。
地域力を高めていくには、「経営力向上」、「創業・再チャレンジ」、「事業承継」といった企業課題解決に向けた支援とともに、地域が団結し、持続的発展のコンセプトのなかで「つながり力」を持つ人材を育むことが重要である。