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サーチ・ナウ
2008.10.27 スピード感と戦略性を持った道路整備を
これまでの日本のGDPは順調に推移し、アメリカに次いで世界第2位となっている。ところが、経済成長率で見ると、2005年の日本の経済成長率は3.1%であり、中国(10.2%)、インド(8.1%)、サウジアラビア(6.6%)、ロシア(6.4%)等の新興国や資源国の経済成長が著しい。わが国を取り巻く経済状況は大きな転換期を迎えていると言える。今後、わが国の生産年齢人口が減少していく中で、経済成長を維持回復させていくためには、金融政策や貿易政策、経済政策等、様々な視点から検討していく必要があるが、本稿では、社会基盤整備の観点から考えてみたい。
日本の経済成長の低迷の要因の一つとして、企業の海外進出が考えられる。わずかここ10年足らずで、エアコン、冷蔵庫、テレビ、パソコンといった家電製品や自動車等の日本の製造シェアは減少してきており、中国を始めとした東アジア諸国にシフトしている。また、自動車については、近い将来、国内生産よりも海外現地生産の方が増えるとも言われている。この様な、企業の海外進出に歯止めをかけるためには、企業にとって快適な居場所を提供する必要がある。ここで、企業の立地先選定の際のポイントを見てみると、「地価」、「企業用地の取得性」や、「市場や関連企業等への近接性(輸送コストの低減)」、「労働力の確保」等が重要視される。
これら企業立地選定への課題について、インフラ面からみた対応策の一つとして道路整備があげられる。道路整備の効果の中には、良く知られている走行時間短縮効果等の直接効果の他、輸送コストの低減効果、沿線地域への立地促進効果等の間接効果があり、港湾・空港、取引企業へのアクセス性の向上や、新たに開通する道路の沿線地域に安価で広大な企業用地を取得出来るといったことが道路整備により可能となる。事実、東海地域に位置する2005年の東海環状自動車道東回りの供用により、沿線地域の企業立地が進展し工業団地が完売状況にあるといった事例が報告されている。この事例からも、道路整備は企業の受け皿整備に関しての重要な社会基盤の一つであることが裏付けられる。勿論、これは道路整備だけ行えば良いというものではない。現に、全国各地の地元自治体等も企業誘致に力を入れているが、地域も道路整備と平行して、工業団地の整備や助成制度等、企業の受け皿整備に尽力していく必要がある。
更に、もう一つ重要な点は、「スピード感」をもった道路整備が必要ということである。グローバル化の波は思いの外速い。東アジア諸国等の急速な経済成長の中でわが国経済を維持回復させていくためには、真に必要な道路については戦略性を持って少しでも速く手を打ち、成果を上げていくことが必要になろう。