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サーチ・ナウ

2009.01.26 サーチ・ナウ:低炭素社会構築に向けた地域連携の必要性

研究開発第2部(大阪) 主任研究員 永井 克治

 我国において、1992年のリオ環境サミットあたりから、地球環境問題解決に向けての取組が進んできている。1993年の環境基本法をはじめ各種法制度が整い、企業や国民も地球環境への意識向上が進んでいると言える。地球環境問題の中でも地球温暖化問題が最も関心の高いものであるが、最近は「低炭素社会」というワードを良く耳にする。「低炭素社会」というと、これまで以上に地球温暖化対策の概念が社会経済の中に組み込まれたような印象を受ける。昨年も我国で、G8環境大臣会合や洞爺湖サミットが開催され、その後も低炭素社会に向けた動きは変わらないばかりか、加速している感すらある。
 国の方では、環境税や排出権取引、あるいは物の販売からサービスの供給への転換(グリーンサービサイジング)といった思い切った構造変革を図ろうとしているが、今回、地域の取組について着目したい。
 地域には、企業や人などのレベルから、建物や街区などのエリアレベル、市町村・都道府県レベル、圏域レベルなど、様々な区分があるが、それぞれの主体による取組を連携・融合させていくことが望ましいと考える。
 企業・人レベルでは、企業は、コスト削減につながる、社会的なPRになるなど何らかの動機付けがないと難しい。業務上いろいろな企業への訪問する機会が多いが、有望な産業分野として省電力型などの環境産業をあげる企業が多く、実際に環境ビジネスに参入している企業が増えている。また、企業サイドから見ても、低炭素社会の構築とともにコスト的にもペイできる状況が近づいてきている。今後、企業毎の技術開発のみならず、コンビナートや産業団地単位で、個々の技術をつなげ、廃熱のカスケード型利用、排出されたCO2を植物工場に導入するなどのトリジェネレーションの実施などを展開していくことができれば、ウイン・ウインの関係が成り立ち、双方ともに経済的なメリットを得ることができよう。また、さらなる省エネルギーが実現でき、全国のモデルともなりうる。
 企業は個別で低炭素化を進めるとともに、住民の巻き込みを図ることも重要である。地域産業と地域住民はつながっており、「低炭素化」というキーワードを用い消費者の「お得感」や「良いことした感」をくすぐれば、地域全体として低炭素社会を加速度的に推し進めていくことができると思われる。
 市町村や都道府県は、このような企業やエリア単位での取り組みを積極的に紹介するとともに、選択と集中のもと、資金面も含めた積極的な支援を図ることが重要である。加えて、エコポイント制度など地域社会全体の仕組みの構築や、そのようなモデルになる拠点整備を積極的に誘導することなどが求められる。関西においても、そのような動きが芽生えつつあり、今後のより一層の推進が期待されるところである。
 さらに、近畿圏、首都圏など圏域レベルでの取り組みも重要である。小さな取組も含め個々の取組を圏域全体で共有、波及させるとともに、広域的に解決すべき交通面や静脈物流などの役割分担を明確にすべきと思う。また、圏域内において、都市部のCO2排出を地方部の森林で吸収するという考え方があるが、森林整備の財源を都市部から捻出するなど資金的な連携までできれば、圏域単位での低炭素へのモデルとして、大いに貢献、発信できるのではないだろうか。
 個々の主体が、それぞれの役割分担を全うしつつ、真なる「連携」「協働」によって、低炭素社会を実現できる仕組みの構築が望まれる。

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