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サーチ・ナウ

2009.06.15 サーチ・ナウ:行政組織における「ミッション仕分け」のススメ

研究開発第2部(大阪) 主任研究員 江口 雅祥

■事業の見直しに有効な「事業仕分け」
 「事業仕分け」とは、これを推進しているシンクタンク「構想日本」によれば、「国や自治体が行なっている事業を、1.予算項目ごとに、2.「そもそも」必要かどうか、必要ならばどこがやるか(官か民か、国か地方か)について、3.外部の視点で、4.公開の場において、5.担当職員と議論して最終的に「不要」「民間」「国」「都道府県」「市町村」などに仕分けていく作業」※1であるとされる。「2009年5月現在、34自治体(38回)と5省(全般・提言、文部科学省、環境省、財務省、外務省・ODA/各省ODA)で実施。」※2されているという。
 行政が実施している事業については、もともと何らかの必要性があって始められているものなので、行政内部の検討に留まっているだけでは、なかなか見直しが進まない。これに対して、外部の視点や市民の視点をもって、そもそもの必要性に切り込んでいく「事業仕分け」は、事業の必要性を見直すに有効な手法であるといえよう。

■組織の力を最大限に発揮させるために「ミッション仕分け(再定義)」を
 ここで提案したいのは行政が担うべき「ミッション(使命)の仕分け(再定義)」である。「ミッション(使命)」とは、行政の当該部門の存在意義、基本的役割を指す。行政の、例えば、1つ1つの課のミッションについて、これを事業仕分けと同様の多様な視点をまじえた手法によって、明確に定義することを行ってみてはどうだろうか。
 事業仕分けが1つ1つの事業の存在意義を問い直すことに対して、ミッション仕分け(ミッション再定義)では、事業の上位の目的のレベルの意義を問い直すことになる。これを行うことによって、評価に耐えうる組織作りが可能になる。また、一人一人の行政職員がめざすべき方向が明確になり、職員が有する力量をロスさせることなく、最大限に発揮させるための手法とも成りうるのではないだろうか。
 ミッションがメンバーの間に十分に浸透、共有されていれば、日々の業務で問題に直面したときにも、ミッションに立ち返ることによって、エネルギーを無駄に使うことなく、正しい方向に注力することができる。筆者は、行政にムダが多いとされる原因の一つが、このミッションの曖昧さにあるものと考えている。
 経営学者P.F.ドラッカーは、経営者に贈る第一の質問に「われわれのミッションは何か?」と問うている。行政組織において、意識的にミッションの仕分け(再定義)を進めることを強く期待するものである。

※1、※2:「構想日本」ホームページ http://www. kosonippon.org/shiwake/ による。

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