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サーチ・ナウ
2009.06.29 サーチ・ナウ:専門的・技術的分野における就労人口の国際化
専門的・技術的分野で就労している外国人の数は、地域産業の国際競争力の一端を示すものと考えられる。そこで、都道府県別の就労目的の外国人登録者数の総人口を基準とした比(以下、「人口シェア比」※注1)をもとめ(下表)、総人口を基準とした集中度について検討した。
■東京都に一極集中する「法律・会計」「報道」「投資・経営」「芸術」「人文知識・国際業務」
東京都の人口シェア比は、「法律・会計」9.5(全国シェア93.8%)、「報道」8.9(同87.5%)、「投資・経営」で6.1(同59.8%)、「芸術」で4.9(全国シェア48.4%)、「人文知識・国際業務」で4.1(同40.3%)である。これらの在留資格では東京都への集中度が特に高く、2位以下の都道府県との差が大きい。
■東京都および大都市圏に集中する傾向の強い「企業内転勤」※注2「技術」
人口シェア比は、「企業内転勤」では(1)東京都4.5(同44.4%)(2)神奈川県2.0(同14.0%)、(3)千葉県1.5(同7.0%)、「技術」では(1)東京都3.9(全国シェア38.2%)、神奈川県2.4(同16.3%)、(3)千葉県2.3(10.7%)がベスト3である。これらの在留資格では、トップは東京都だが、他の大都市圏の都道府県にも一定の集中がみられる。
■東京都以外がトップを占める「研究」「医療」「教授」「技能」
人口シェア比の上位は、「研究」では(1)茨城県12.5(同29.0%)、(2)東京都1.8(同17.7%)、(3)神奈川県1.7(同11.7%)、「医療」では(1)千葉県4.7(同22.4%)、(2)長野県4.0(同6.9%)、(3)青森県2.0(同2.3%)、「教授」では(1)京都府4.3(全国シェア8.9%)、(2)宮城県2.7(同5.0%)、(3)東京都2.2(同22.1%)、「技能」では(1)山梨県3.8(同2.6%)、(2)東京都3.8(同36.9%)、(3)愛知県1.9(同10.7%)がベスト3である。これらの在留資格は人口規模との関連が比較的低く、職業に関連する資源の偏在(例:京都府の大学、茨城県の国等の研究機関、山梨県の宝飾産業)が外国人の集中をもたらしているものと推測される。
■都道府県間の偏在度が低い「教育」「興行」
「教育」「興行」の人口シェア比は数値の差が小さいことから、総人口のシェアと大きな乖離がないことを示す。また、東京都がトップ10に入っていないことも特徴である。
以上をみると、専門的・技術的分野で就労する外国人は、人や企業が集中する東京都や大都市圏により集まりやすい傾向が強い。東京都以外がトップを占めた「研究」「医療」「教授」「技能」に関しては、人口規模の影響が小さいことから、地方においても特徴ある集積づくりによって世界から人を吸引しうる可能性が高い領域であると考えられる。経済産業省・文部科学省では、我が国で初めての就職までを視野に入れた留学生支援として、「アジア人財資金構想(平成19年度〜)」の事業を開始した。例えば、北九州学術研究都市では同事業を活用し、進出している3つの大学院(早稲田大学大学院、北九州市立大学大学院、九州工業大学大学院)において、企業ニーズの高い「環境」「情報」の分野で日本企業への就職を希望する留学生を育成している。このような研究・教育・産業が一体となった取り組みは、特に地方における就労人口の国際化の促進に寄与するものであると考えられることから、今後の外国人の就労状況に与える効果・影響が注目される。

データの出典は、在留資格別外国人登録者数は財団法人入管協会「平成20年版在留外国人統計(2007年末現在)」、総人口は総務省統計局「平成17年国勢調査(2005年10月)」。
注2:企業内転勤は、日本に本店・支店等の事業所のある機関について、外国にある事業所の職員が期間を定めて転勤して日本の事業所で行う「技術」「人文知識・国際業務」に該当する活動。