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サーチ・ナウ

2010.04.26 地域が環境をデザインする時代に

研究開発第2部(大阪) 主任研究員 永井 克治

 近年、国際的にも地球環境問題に対する取組が加速してきており、2009年12月にデンマークで開催されたCOP15 (国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議)の中で京都議定書に続く新しい温室効果ガス削減目標について議論されるとともに、2010年には名古屋でCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が開催される予定である。
 我が国においても、地球温暖化問題については、京都議定書以降の新たな削減目標に向けて、2008年1月にはクールアース推進構想(いわゆる福田ビジョン)が、2009年8月には当時の環境大臣から「温室効果ガス2050年80%削減のためのビジョン」が発表されている。民主党政権になった現在においても、2020年には1990年比25%削減という目標が公表されるなど、引き続き、中長期における具体的な数値目標が掲げられ、今後も地球温暖化問題に対する取組を強化する方向で進められている。また、生物多様性については、我が国は、2010年のCOP10の議長国として、ポスト2010年目標が提示するとともに、「SATOYAMAイニシアティブ」といった新しい枠組みの提案がなされる予定である。
 このように、国際的に、あるいは我が国において地球環境問題への取組が進んでいるが、今後のトレンドの1つとして、「地球環境対策」から「地域環境創出」の重要性がクローズアップされてくると考えている。大きな枠組みや目標設定などは国レベルで決めていくものの、その枠組みの中で実際に活動するのは、地域単位でということである。地球規模の環境問題になると、一個人からはなかなか実感が湧きにくい問題であるが、個人が帰属している地域の環境を創出するという目線にすれば、取り組む意欲が高まり、個人の取組が組織の取組へと発展する可能性が高まる。今後は、地域が地域固有の問題を解決するために、地域が主役となって環境をデザインする時代が到来すると予想される。
 地域が環境をデザインするにあたっては、「低炭素社会」「生物多様性」「循環型社会」といった3つの視点があると考えている。それらの視点は、比較的新しい概念であるが、それら3つの視点は相互に関係しあっており、相乗的に取り組んでいく必要がある。
 例えば、低炭素社会の構築のためには、森林資源や太陽光、風力など化石燃料を使用しない新エネルギーを積極的に利用するとともに、家庭や事業所、都市やまちレベルでできるだけエネルギー自体を使わない取組(省エネルギー)が必要である。さらに、各種製品に関してはできるだけ化石燃料を使用しない生物由来や再生資源の原材料を利用するとともに、適正な森林・農地管理により温室効果ガスを吸収させる取組が必要である。
 これらの取組とともに、大きな恵みをもたらす生物種や生態系の多様性を保全・創出する取組や、資源・エネルギーの使用の抑制や循環的な利用を行う取組を行うことにより、生物多様性の保全や循環型社会の構築にも大いに関わってくるものである。
 今後「低炭素社会」「生物多様性」「循環型社会」の3つの視点の相互的取組みに着目したい。

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