2002年4月30日
○ワヒド前大統領の解任、メガワティ新大統領の就任、米国テロ事件の波及など、2001年のインドネシアをめぐる情勢は激しく変化した。そうしたなかで、インドネシアは、3.32%の経済成長率を達成し、2000年(4.77%成長)より減速したものの経済は底堅く推移した。
○2001年のインドネシア経済の成長を下支えしたのは、最低賃金の大幅上昇や銀行の個人向けローン拡大を背景とする民間消費の拡大であった。しかし、他方で、ルピア安が続く中、輸入インフレが進行し、通貨防衛のための高金利は、投資を低迷させた。また、IMF構造改革プログラムによるエネルギー価格補助金廃止によりエネルギー価格が高騰し、インフレ進行に拍車をかけた。2001年末のインフレ率は、前年比12.6%と2けたに達した。
○インドネシアへの外国からのポートフォリオ証券投資と直接投資(FDI)の流入は低迷しており、民間資本はネットベースでマイナス(流入を流出が上回る状態)となっている。また、公的資金フローについても、ODAの流入が停滞するなかで、過去の対外債務への返済を続けなければならないため、ネットでマイナスとなっている。
○今年4月のパリクラブ会合で、インドネシアは54億USドルのリスケジュールを獲得したが、対外債務返済負担は依然として重く、中長期的にルピア売り圧力が残る可能性が高い。対外債務返済負担が、国際収支と政府財政を圧迫し続けることへの懸念は解消されていない。
○インドネシア経済再生には、ルピア相場の回復・安定、FDIの流入増加が不可欠である。それには、政治の安定、構造改革の推進に加えて、汚職の撲滅を含むガバナンスの改善といった課題にインドネシアが成果を上げなければならない。また、労働集約型輸出製品を中心に、中国との競合が激化しており、国際競争力向上のため、労働生産性の向上を図る必要がある。これに失敗すれば、輸出産業への投資を中国に奪われる結果となろう。ただ、こうした取り組みは、成果を上げるまでに時間がかかるため、今後2〜3年の間、インドネシアの経済成長率は3.5〜4.0%程度の低水準で推移する公算が高いと考えられる。
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