2003年3月10日
〜格差は大きいが水準は底上げ〜
○東部と中西部、都市と農村などの間で経済格差が拡大しており、政府も、先に豊かになれる者から豊かになるという考え方(先富論)から、全体が豊かさを享受できる経済システムを構築するという考え方(共富論)に目標を変えつつある。
○地域間格差は、最も豊かな上海市と貴州省の間で10.7倍にまで広がっている。しかし、東部では新興生産基地である広東省や福建省、江蘇省、浙江省の成長が目覚しく、中西部でも年10%以上の成長を記録しており、全体の水準は底上げされている。しかし、都市−農村間の格差をみると、都市の雇用吸収力が高まる一方、農村の雇用吸収力低下がみられ、そのなかで格差が広がっている。
○地域内格差は、業種間格差である。飛びぬけて高い賃金の業種があり、これが格差を拡大させている。しかし、全体に占める割合はわずかであり、総じて見ると格差の拡大はみられない。高所得者層についても、新しい高付加価値産業の勃興が新しい高所得者層を生んでおり、構造変化のダイナミズムが見て取れる。
○当面は東部の成長率が相対的に高く、地域間格差は拡大を続けるものと見られる。一方、地域内格差も、格差が縮小に向かうにはかなりの時間を要するものと見られる。格差是正のカギとなる第3次産業化が北京や上海以外の地域では遅れているようだ。
○政府はそうしたなか、所得の再分配政策への方向性を強めている。ただし、効率優先が大前提であり、財政に全てを期待するのは難しい。
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