2002年5月16日

地価下落が実体経済に与える影響について

−関西からみた土地問題の深刻さ−


○景気の低迷が続く中、地価の下落が続いている。足元では、下落し過ぎた地価が実体経済に負の影響を及ぼしていると考えられる。

○家計部門を通じての影響をみると、個人消費は、所得要因、金融資産要因の動向による影響が大きく、地価要因の影響は限定的という結果になった。しかしながら、地価の下落により、91年以降家計の保有する土地資産額は大幅に減少しており、家計におけるバランスシートの悪化が、マインド面の悪化に繋がり、間接的に消費を押し下げている可能性が高い。

○企業部門では、地価の下落が設備投資の抑制に働いている。地価の上昇期より、下降期の方が実体経済への影響は大きい。地価の下落による設備投資押し下げ効果は、91−2001年平均で、製造業が▲5.0%、非製造業が▲9.0%となった。特に、関西は、地価の下落が全国以上に激しくその傾向が強く出ている可能性が高い。

○今後の地価動向は、供給サイド、需要サイドいずれからみても厳しく、商業地・住宅地ともに地価は下落基調で推移すると考えるのが妥当である。実際に、関西の市街地価格指数の動向を2005年まで試算してみても、その傾向は確認でき、関西では少なくとも2005年にかけて地価の下落が実体経済に負の影響を与え続けると考えられる。

○需要者がフローの収益をストックの減価が上回るリスクを感じている限り地価の下落は続く。「地価の底入れ」を実現するには、現時点で考え得る施策を個々別々に実施していくのではなく一斉にフル活用していく必要がある。地価の下落が避けられないという見通しが強いなかで、抜本的な対策を総動員することが喫緊の課題となっている。

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